ジョーダンのメンタリティについて語るジョージ
NBAの歴史において、常に全力で勝利を追い求めたスーパースターたちは多く存在する。しかしその中でも特に、現役時代2度の3連覇を達成したマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)が、究極的なまでに勝つことを望んでいたのはとても有名である。敵味方問わず高いパフォーマンスを引き出すために辛辣な言葉を投げかける彼の姿は、常軌を逸したように感じられるかもしれない。だがその闘争心こそが彼の象徴の1つでもあり、偉大なキャリアを歩んだ大きな要因の1つとも言っていいだろう。
今シーズンからロサンゼルス・クリッパーズでプレーしているポール・ジョージは、そういったメンタリティを歓迎している。同じく勝利に貪欲で、時にはチームメートと衝突することもあったコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)に憧れていたジョージ。彼は『ESPN』にビデオ通話で出演し、エイドリアン・ウォジナロウスキー記者とのやり取りの中で、ジョーダンの精神性について以下のように言及した。
「僕はああいった姿に息苦しさを持ったことはないよ。僕はコービーを見て育っただろう? 彼の勝利のための意思や容赦のなさを体得して、僕は評価を得たんだ。インディアナにいた時、僕はそういう存在になりたかった。自分は勝ちたいし、勝利のためならどんな犠牲も払う覚悟があるということを、人々に知ってもらうためにも容赦のない人物になりたいと思っていた。だからドキュメンタリー(『ラストダンス』)をとおして、MJには敬服したんだ。僕はああいう選手とともにプレーすることが大好きなんだよ」
またジョージは、ジョーダンのメンタリティに近い性質を持っている選手について、かつてオクラホマシティ・サンダーでともにプレーしたラッセル・ウェストブルック(ヒューストン・ロケッツ)の名を挙げた。「多くの才能を目にしてきたけれど、MJと同じような強烈さを持っているのはラスだね。彼はどんな犠牲を払ってでも勝利を追い求める。そしてチームメートとして彼のことはすごく気に入っていた。フロアに立つ時はいつだって彼は勝利を求め、持っているものすべてを捧げていくんだ。僕はそういう姿に敬服する」と、コメントしている。
現役を退いて随分と時間が経過した今もなお、こうして現代のスター選手に強烈な印象を与えるジョーダン。やはりトップレベルで活躍する現役選手にとって、ジョーダンのメンタリティや闘争心とは特別に感じられるものなのだろう。