JR・スミスがジョーダンとコービー、レブロンについて持論を展開「“ライオン”と“トラ”を比べることはできない」

かつてキャブスでチームメートだったレブロン(右)とスミス(左)[写真]=Getty Images

ジョーダンとコービー、レブロンの違いについて説明するスミス

 今季はプロ入りから17年目のシーズンを迎え、キャリア終盤に差し掛かりつつあるロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズ。しかし35歳という年齢ながらも、衰えを感じさせないパフォーマンスを発揮。今シーズン平均25.7得点7.9リバウンド10.6アシストを記録し、スーパースターとして絶対的な地位は未だ健在である。

 これまで多くの偉業を成し遂げてきたレブロンだが、その功績が積み重なっていくほどに、歴代のスーパースターたちと比較されてきたのも事実だ。その中にはもちろんレブロンが尊敬するマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)も含まれており、レブロンとジョーダン果たしてどちらが偉大な選手かという議論も、現地メディアや選手たちの中でもしばしば行われる。

 だがかつてキャブスでレブロンとチームメートだったJR・スミス(フリーエージェント)は、ジョーダンとレブロンは比較できないと説明する。『The Pat McAfee Show』にビデオ通話で出演したスミスは、まずはレブロンの特性について論述。「彼は仲間に責任を持たせる。1つレブロンについて述べるなら、彼は自ら見本となり、自身の仕事の規範を示す。彼の最大の特性とは、その規範とともに人々を引っ張ることができることなんだ」と、コメントしている。

レブロンが憧れ、現在もその背中を追い続けているジョーダン[写真]=Getty Images


 またスミスはこの議論に、ジョーダンの性格やプレースタイルに極めて似ていたコービー・ブライアント(元レイカーズ)も加え、彼らの特性についても説明していく。「より優れた選手にとって、そういった(レブロンのような)行いをこなすことが簡単なのは明白だ。だがジョーダンやコービーはそうはしなかった。“キラー・メンタリティ”を持った多くの選手たちは、そういう(レブロンのような)ことをするタイプではない」と語る。確かにレブロンはチームメートと親しくなり、ハードワークに取り組むことで仲間たちにポジティブな影響を与えてきた。一方でジョーダンやコービーは、自身の高い理想や目標を実現させるためなら、チームメートであろうと辛辣な言葉を投げかけることで、仲間の闘争心を引き出そうとしていた。

 さらにスミスは、「レブロンはスコアラーではない。スコアラーというのは、単一のことを遂行するために、1つの考え方を持っている人のこと。いわばそれは“スナイパー”だ」とも付け加えており、「ジョーダンとコービーはディフェンスもプレーしたが、彼らはスコアラーだ。一晩に50得点、60得点、70得点を叩き出す」と、スコアラーの定義についても言及。「もし万能性に優れた選手がいたとして、リバウンド、スコアリング、パス、ドリブルができるとすれば、それは(スコアラーとは)全く異なった雰囲気を漂わせているだろう。レブロンはスコアラーの選手たちとは全く違う選手だ」と、スコアラーとオールラウンダーの違いについても語った。

レイカーズのレジェンドであるコービー(左)とキャブス時代のレブロン(右)[写真]=Getty Images


 今回はジョーダンとコービー、レブロンのメンタリティやプレースタイルについて具体的に言及したスミス。その2点を踏まえた上で、「(彼らは)比較はできない。何故なら“ライオン”と“トラ”を比べることはできないからだ。彼らは同じネコ科の動物だが、同じ生き物ではない」と、結論付けている。この3人がバスケットボールの歴史の中でも偉大な選手であることには変わりない。しかしもともとのポジションやスタイル、それぞれの精神性などを鑑みれば、たとえ多くの人々がジョーダンやレブロンについて舌戦を繰り広げようと、どちらの選手がより優れているかと比較するのはできないのかもしれない。

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