ジョーダンとレブロンの比較について疑問を抱くカーメロ
多くのファンを魅了し、バスケットボールの虜にする素晴らしいスーパースターが数多く存在するNBA。そこには長く深い歴史があり、時代をさかのぼっていくことで、過去の偉大な選手たちの存在を知ることができる。そうして古い時代の選手たちの素晴らしさを理解した時、ファンであるならば1度は特定の選手同士が時代を越えて激突し、一体どちらが勝利するかというイメージを脳裏に浮かべるかもしれない。
それは偉大なるマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)と、現役最高のスーパースターの1人であるレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)も例外ではない。近年はマイアミ・ヒート時代に2連覇を達成した後、クリーブランド・キャバリアーズへ復帰し、その2年目でNBA史上初となる1勝3敗から逆転優勝を成し遂げたレブロン。8年連続ファイナル進出、35歳という年齢ながら未だに高いパフォーマンスを発揮しているなど、その数多くのレブロンの功績がよりジョーダンとの比較論を加速させているようにも見える。
だが人々がジョーダンとレブロンに関する議論をする一方で、カーメロ・アンソニー(ポートランド・トレイルブレイザーズ)はそういった内容に難色を示している。『CBA Sports』のコリン・ワード・ヘニンガー記者によれば、カーメロは、「俺は好きじゃない。何故ならその比較論を持ち出してしまえば、目の前のことへの感謝が損なわれるからだ。“オールドスクール”と“ニュースクール”についての議論がされる時、『どうして彼らが試合にもたらしてくれたことに俺たちは感謝できないのか?』と思う」とコメントしている。
「MJは知ってのとおり“G.O.A.T”で、もっとも偉大な選手。それは皆が知っていて同意している。『MJはとても偉大だった。レブロンもとても偉大で、コービー(ブライアント/レイカーズ)も素晴らしい』と、どうして言えないのだろう」とも語るカーメロ。「今日においてそういう発言が許されず、常に物事に白黒つけたがるのが俺たちの社会なんだ。『君は1つを選ばないといけない』というふうにね」と、締めくくっている。
歴史が長く、その時代を代表する偉大な選手が存在すれば、果たしてどちらが優れているのかと考えてしまことは自然なことかもしれない。だが単に優劣をつけるのではなく、カーメロが述べたように、それぞれの素晴らしさを認めて讃えていくことも大切なことなのだろう。