「競争心を持つ男にとって、負け続けることはフラストレーションになっていたはず。彼にはもっと休息が必要だったんだ」と今季のグリーンについて言及
6月21日(現地時間20日、日付は以下同)。ゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が『KNBR』のポッドキャスト番組“Tolbert, Kreuger and Brooks”へ出演した。
カーHCが指揮を執るウォリアーズは今季、新型コロナウイルスの感染拡大を防止すべく、NBAがレギュラーシーズンを中断した時点でリーグワーストの15勝50敗(勝率23.1パーセント)と低迷。
昨季まで5年連続でウェスタン・カンファレンスを制し、3度のNBAチャンピオンとなったウォリアーズは、昨季と一昨季にレギュラーシーズンで喫した黒星の合計が49敗。過去5シーズンでも計88敗しかしていなかっただけに、苦しいシーズンとなった。
昨季のファイナルで左膝前十字靭帯を断裂したクレイ・トンプソンが全休、ステフィン・カリーが左手骨折のため約4か月の長期離脱という窮地に陥っただけでなく、昨季終了後に複数のベテランが退団したこともその要因となったと言っていいだろう。
そしてカリー、トンプソンと共にウォリアーズで強固な基盤を形成するドレイモンド・グリーンも左手人さし指のネンザや右かかと、膝の痛みなどで自己最多となる22試合を欠場。
平均28.4分8.0得点6.2リバウンド6.2アシスト1.4スティールを残すも、ショット成功率も含めて精彩を欠いてしまった。
そのグリーンについて、カーHCは「彼にとって、オフェンス面で本当にフラストレーションがたまるシーズンだったと思う」と切り出し、こう続けた。
「競争心を持つ男にとって、負け続けることはフラストレーションになっていたはずだ。戦力不足に陥っている時、このリーグで勝利を挙げるのはものすごく難しいことだからね。もちろん、彼は怒りを露わにしていたよ。でも全体的に見ると、私は彼が自身の感情をよく抑えていたと思う」。
グリーンはキャリア8年で3度の優勝に加え、オールスターに3度、オールNBAチームに2度、オールディフェンシブチームには5度選ばれており、2017年には最優秀守備選手賞(DPOY)を獲得した実績を持つパワーフォワード。
2016年夏にはアメリカ代表としてトンプソンと共にリオデジャネイロオリンピックにも出場し、昨季までの5シーズンというもの、レギュラーシーズンとプレーオフを通じて身体を酷使してきた。
カーHCは「彼にはもっと休息が必要だったんだ」とこれまでの奮戦を労いつつ、来季に向けて「来シーズンがスタートすれば、これまででベストなドレイモンドを目にすることができると私は見ている。彼がメンタルとフィジカルの両面においてベストな状態になるだろうと感じているんだ」と期待を寄せていた。
2010年代後半にいくつもの快挙を成し遂げてきたウォリアーズにおいて、グリーンはディフェンシブアンカーであり、チームのヴォーカルリーダーでもある。カリー、トンプソンと共にこの男が復調することで、来季ウォリアーズが優勝候補として舞い戻ってくる可能性は十分あるのではないだろうか。