2020.07.21

練習の鬼…バトラーが真夜中にホテルの部屋で汗ダクになるまで練習をして苦情を受ける

“練習の鬼”であるバトラーは、オーランドにおいても通常運転のようだ[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 マイアミ・ヒートで新たな居場所を見つけたジミー・バトラーは、人一倍、勝利に貪欲であり、NBAで最も“体育会系”な選手である。

 それを象徴するエピソードと言えば、朝10時から練習の日に、3時半に起床し、4時に練習場入りする彼の日課。チームメートのマイヤーズ・レナードが6時に到着した頃には、すでにバトラーは汗ダクになっていたというのは有名な話で、この一件について問われた際、バトラーは「みんなが3回目の夢も見ている間のちょっとした追加練習だ」と答えていた。

 そんな練習熱心なバトラーの姿勢は、再開の地オーランドでも変わらない模様。それどころか、練習に対する衝動が裏目に出て、ホテルの警備員から忠告を受けてしまったようだ。

『Yahoo! Sports』と『TNT』の記者、クリス・B・ヘインズによると、真夜中にもかかわらず、ヒートのメンバーが宿泊するフロアから「大音量のドリブル音が聴こえる」と苦情が入ったそう。そこで、警備員が該当の部屋を見つけ出し、ノックをすると、中からバトラーが出てきたという。そして、警備員いわく、バトラーは頭の先から爪先まで練習着をまとい、ホテルの寝室とは到底思えないほどびっしょりと汗をかいていたようだ。

 選手たちが宿泊する「バブル(=隔離エリア)」では、新型コロナウイルス蔓延防止策として、ホテル到着後最長48時間、部屋から一切の外出が禁止されていた。きっと、バトラーは事前にその情報を耳に入れており、2日間も練習できないことを想像して、会場入りの際に手持ちでボールを持ち込んだとみられている。

 高校卒業時、名門大学からは見向きもされなかったバトラー。しかし、並大抵ではない継続的な努力により、ドラフト30位でNBA入りの切符を掴み、今ではオールスター出場5回、オールディフェンシブチームの選出4回(全て2nd)、2015年にMIP受賞と、リーグのトップ選手にまで成長を遂げた。

 なお、バトラーは今季、平均20.2得点、6.1アシストという優秀なスタッツを残し、チームのトップスコアラーとしてヒートを牽引。球団もイースタンカンファレンス4位と好調で、プレーオフ進出が確実視されている。いつでもプレーできる状態にあるバトラー一味が再開後にスタートダッシュを決め、予期せぬ事態が続くNBAにもう一波乱をもたらしても何ら不思議ではない。

文=Meiji

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