2020.09.23

アデトクンボのルーキーカードが史上最高額の約2億円で落札…落札価格でレブロン超え

バックス入団当時のアデトクンボ[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 隆盛の時を迎えているスポーツオークション市場。そのなかでもトレーディングカードは、コレクション性の高さもあり、高騰の一途を辿っている。

 この前例のないバブルからまたひとつ、新記録が誕生した。今季、2シーズン連続のMVPを受賞したヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)のルーキーカードが、バスケットボールカード史上最高額となる185万7300ドル(約1億9500万円)で落札されたのだ。

 2013年のNBAドラフトで1巡目15位指名を受けたアデトクンボ。初年度はオールルーキーの2ndチーム選出にとどまったが、ギリシャの国籍を持つ大器は自慢のアスレチック能力を武器に年々成長を続け、2017年に秘めた才能が完全に開花。同年以降は毎年、NBAの主要アワードに名を連ねており、2018-19シーズンは初めてMVP(最優秀選手賞)を獲得。ちなみにアデトクンボは2016-17シーズンにMIP(最成長選手賞)に選ばれており、名誉ある賞を2つ手に入れた初めての選手となった。さらに今シーズンは2年連続のMVPに、史上3人目となるDPOY(最優秀守備選手賞)とのダブル受賞と、NBAに新たな歴史を刻んでいる。

 今回『ゴールディンオークションズ』で落札されたアデトクンボのカードは、NBAカードのなかでも極めて希少価値の高い1枚である。「BGS」の鑑定では、10点中9点とほぼ完璧に近いミントコンディションの評価を獲得。また、「Beckett」が評価したサインの状態も満点と、状態は非常に良好と言える。カードのオモテ面には、初々しさの残るグリークフリークと彼のサイン、そして同選手のジャージから切り取ったNBAのシンボルパッチが。そして、このカードは「ロゴマン」と呼ばれる種類のものであり、アデトクンボの下にシルバーの文字で記された「One of One」が世界に1枚しか存在しないことを証明している。

 これまでのバスケットボールカードのオークション最高落札価格は、今年7月下旬に落札されたレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)のルーキーパッチカードで、その価格は184万5000ドル(約1億9300万円)だった。しかし、バックスのエースは、キングの記録をわずか6週間で更新。未だリーグ優勝を経験していないプレーヤーの新記録樹立は、コレクターたちからの大きな期待の現れと言えるだろう。

 カードの価値を今以上に高めるか否かは、今後のアデトクンボのキャリアにかかっている。

文=Meiji

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