12月3日(現地時間2日、日付は以下同)。ヒューストン・ロケッツとワシントン・ウィザーズによる2チーム間で大物同士のトレードが成立した。
トレードの内訳は、ロケッツが先日トレードを志願したと報じられたラッセル・ウェストブルックを放出し、ウィザーズからフランチャイズプレーヤーのジョン・ウォールと2023年のドラフト1巡目指名権(条件付き)を獲得するというもの。
NBAは今季開幕を約3週間後に控え、2日から各チームの選手たちやヘッドコーチ(HC)がZoomを用いて会見を行なうメディアウィークが始まったばかり。ウィザーズは日本の至宝、八村塁やスコット・ブルックスHCが会見を行ない、アキレス腱の断裂で昨季を全休し、完全復活を目指すウォールについても話していたやさきだっただけに、衝撃のトレードとなった。
ウェストブルックとウォールのトレードについては、11月中旬に両チームが話し合っていると『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者が報道。その時はロケッツ側がウォールだけでなく、さらなる交換要員(選手やドラフト指名権、金銭など)を要求していると報じられていたものの、トレーニングキャンプ開始を直前に控えたこの日、大型トレードが合意することに。
両選手は今後3年間で年平均4000万ドル(約41億6000万円)以上の超高額契約を結んでいる。3年目はプレーヤーオプションながら、少なくとも今後2年でリーグトップ10には入る超高額年俸を手にするポイントガード(PG)。
ウェストブルックはキャリア13年目を迎える歴代屈指の万能型PG。一昨季まで所属していたオクラホマシティ・サンダーでは3シーズン連続で平均トリプルダブルを達成したほか、レギュラーシーズン通算で歴代2位の146回をマークするほど、得点・リバウンド・アシストと3拍子そろったリーグ屈指の選手。
一方のウォールはキャリア平均9.2アシストで歴代6位を誇る司令塔。抜群のスピードを武器にコートを縦横無尽に駆け抜け、得点・アシストでウィザーズをけん引してきた。キャリア平均19.0得点を残しているように、得点力も備わったリーグ有数のPGである。
ウェストブルックにとって、ウィザーズに加入することはサンダー在籍時に約7シーズン指揮官を務めていたブルックスと再会する機会。さらにはジョーダンブランドのトップエンドーサーを務めていることもあり、同ブランドと契約を結んでいる八村との共演は見もの。若手から慕われる兄貴分なキャラクターのため、八村をはじめ、育成中の若手がそろうチームでリーダー格としてリードしていくことだろう。
ウォールとしては、ケンタッキー大学時代のチームメート、デマーカス・カズンズとNBAで初めて一緒にプレーすることになった。両選手ともケガから完全復活することを目指しているだけに、予想外とはいえうれしい再会となるに違いない。