2021.02.10

リハビリの心境を明かしたクレイ・トンプソン「プレーしたくてたまらない」

トンプソンはケガの影響で2季連続で全休を余儀なくされた[写真]=Getty Imaes
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 クレイ・トンプソン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)は、2018-19シーズンのNBAファイナルで左膝前十字靭帯を断裂し、今シーズンからの復活が待望されていたが、不幸にも開幕前のワークアウトで右足のアキレス腱を断裂。2020-21シーズンも全休が決定している。

 全盛期にあるNBA選手にとって、怪我でコートに立てないことほど苦しいものはない。それが2シーズン連続であり、チームが思うように機能していないのなら尚更だ。

 スプラッシュブラザーズの背番号11は、去る1月31日(現地時間30日)のデトロイト・ピストンズ戦において、解説者として『NBC Bay Area』に出演し、現在の心境を語った。

「元気にやっているよ」、そう語るクレイの表情が曇っていないことに安堵するところから会話は始まる。

「スタジアムに戻ると、プレイしたくてたまらなくなるね。時々、ただただ退屈に感じることもある。ゆっくりとアキレス腱を癒やしていって、次はモビリティのワークアウトに進むんだけど、気分は悪くない。とにかく、チームメイトと一緒にいられるのがうれしいよ」

 その一方で、トンプソンは順調にリハビリを進めているなか、やはりプレーできないことへのフラストレーションを隠さなかった。

「残念だけど、僕は今、プレーができない。毎日耐えられないほど辛いけど、僕は長い間プレーすることを望んでいるから、このリハビリ期間中にはどんな事故も起こしたくないと思っている」

 トンプソンは怪我と闘いながらも時間を見つけては本拠地の『チェイス・センター』に姿を見せ、ベンチからチームメイトをサポートしてきた。この日、解説席に座った同選手は当初、この仕事を受ける気はなかったそうだが、「#REPORTERKLAY」のハッシュタグと共に彼の後ろに設置されたバックボードを見て、心境が変わったという。

「引き受けるつもりはなかったんだけど、バックボードを見て、誰かがこれを実現するため長い時間を費やしてくれたと感じたんだ。だから、僕もやらないのは悪いと思ってね」

 この日、トンプソンは元ウォリアーズのケレンナ・アズバイクと実況のボブ・フィッツジェラルドとともに試合の解説を楽しんでいた。蛙の子は蛙ということだろうか、父のマイカル・トンプソンも引退後はコメンテーターを務めており、息子も軽快なトークでお茶の間を賑わせ、SNS上でも#REPORTERKLAYは好評だった。

 同ゲームの放送席にトンプソンが現れることを知らなかったというヘッドコーチのスティーブ・カーは、試合後にこんなコメントを残している。

「彼は辛口なユーモアでいつも私たちを楽しませてくれます。だから、試合のテープをみるとき、私は間違いなくボリュームを上げるでしょうね」

 もしかすると、トンプソンは引退後、シャキール・オニールやチャールズ・バークレー、ケニー・スミスの横に座っているかもしれない。

 文=Meiji

BASKETBALLKING VIDEO