2021.03.24

ユーイングがマディソン・スクエアで警備員に止められる…ニックスの大御所ファンは激怒

現在ジョージタウン大学で指揮を執るニックスのレジェンド、パトリック・ユーイング[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 NBAオールスターゲーム出場11回、2008年にはバスケットボールの殿堂入りを果たしているパトリック・ユーイングは、誰しもが認めるニューヨーク・ニックスのレジェンドだ。

 ニックスの最多得点記録保持者は、優勝経験こそないものの、プレーオフでは幾度となくマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)、レジー・ミラー(元インディアナ・ペイサーズ)、アキーム・オラジュワン(元ヒューストン・ロケッツほか)らの前に立ちはだかり、当時のスター選手たちを苦しめた。

 そのユーイングは現在、ジョージタウン大学のヘッドコーチを務めており、3月中旬に行われたビラノバ大学との一戦で、かつての本拠地であるマディソン・スクエア・ガーデンに帰還。試合は、1点差の熾烈な争いを見事ジョージタウン大学がモノにしたが、この日、ニックスのスターは憤慨せざるをえないできごとに遭遇してしまったようだ。

なんと、ユーイングはスタジアムの警備員に呼び止められて、通用書の提示を求められたという。ユーイングは試合後のインタビューにおいて、スタッフの対応に怒りを露わにしている。

「ここは私の建物だと思っていたよ……」

「止められて、声をかけられ、パスの提示を求められたんだ。最悪の気分だよ。この館にいる人は全員、私が誰かを理解しておくべきじゃないのかな」

「止められたまま、私は館内を移動することができなかった。『おいおい、どうなっているんだ。ここはマディソン・スクエア・ガーデンで合っているよな?』という気分だ。私は(ジェームズ・)ドーラン氏に電話して、『参りましたよ。私の背番号はスタジアムに掲げられていますか?』と聞かなければならない」

スパイク・リーは「敬意を欠いている」と激怒

 このユーイングの発言を受けて、ニックスの大ファンとして知られる映画監督のスパイク・リーも苦言を呈している。

「マディソン・スクエア・ガーデンには、何か問題があるはずだ。デレク・ジーターがヤンキー・スタジアムに入るのを止められることが想像できるか? マジック・ジョンソンは、ステイプルズ・センターに入場する際に止められるのか? マイケル・ジョーダンがユナイテッド・センターの入場時に呼び止められるのか? ありえないだろ!」

「もし仮に、私がパトリックが活躍していたニックスの黄金期の後に生まれた小さな子どもだとしても、彼は213センチもあるんだぞ。侮辱的だし、敬意を欠いている」

「それに、なぜ『おい、お前。彼はパトリックさんだ。通せ』と言う人が近くにいなかったんだ? 信じられないよ。こんなこと、ヤンキー・スタジアムでは起こりえない。常識が必要だ」

 警備員がマニュアルに忠実で、仕事熱心なことには関心する。しかし、リーが言うように、松井秀喜が東京ドームで止められることがなければ、中田英寿はどのサッカースタジアムに行っても歓迎されることだろう。

 もしかすると、マディソン・スクエア・ガーデンの警備チームは、研修時に“顔パスOK”のVIPについて暗記テストを実施するべきなのかもしれない。

 文=Meiji

ニックスの大ファンで知られる映画監督、スパイク・リーも激怒[写真]=Getty Images

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