2021.06.15

ホークスとの第4戦で不名誉な記録を樹立したエンビード「もう変えられないこと」

オフェンス面で不振に陥ったエンビード[写真]=Getty Images
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終盤にレイアップをミスしたほか、後半はフィールドゴール12本全てをミス

 6月15日(現地時間14日、日付は以下同)。フィラデルフィア・セブンティシクサーズとアトランタ・ホークスによるイースタン・カンファレンス・セミファイナル第4戦が行なわれ、ホームのホークスが103-100で逃げ切り、シリーズ戦績を2勝2敗のタイとした。

 見事勝利を手にしたホークスでは右肩の痛みに耐えながらプレーしたトレイ・ヤングがいずれもゲームハイとなる25得点18アシスト、ボグダン・ボグダノビッチが22得点5リバウンド、ジョン・コリンズが14得点12リバウンド、クリント・カペラが12得点13リバウンドを記録。

 チーム全体でフィールドゴール36.6パーセント(37/101)、3ポイント30.0パーセント(12/40)とシクサーズのディフェンスに苦しめられたものの、残り1分17秒にヤングのフローターで逆転し、そのままリードを保持した。

 一方のシクサーズでは、トバイアス・ハリスが20得点5リバウンド、ジョエル・エンビードが17得点21リバウンド4アシスト、セス・カリーが17得点、ベン・シモンズが11得点12リバウンド9アシスト2ブロック、フルカン・コルクマズが10得点2ブロックをマーク。

 最大18点リードを帳消しにされるも、終盤まで接戦を演じたシクサーズだったが、残り8.8秒にハリスとのピック&ロールからエンビードへと渡り、逆転をかけてレイアップを放つも決めることができずに万事休す。

 右膝半月板を部分断裂しながらプレーを続けるエンビードは「いい感じだった。手ごたえはあったんだ。うまく(リムまで)持ち込めなかったということ。俺はファウルされたんだと思っていた。でも本来なら俺はあそこで決めるし、ダンクしようとしていた。ファウルももらってアンドワンを取ろうとするものだ。だけどジャンプしきれなかったんだ…タフだよ」と悔やんだ。

 もっとも、この日のエンビードはシュートタッチが絶不調。試合全体でフィールドゴール20.0パーセント(4/20)、後半に至っては12本放って成功ゼロで、フリースローの4得点のみと大荒れ。『ESPN Stats & Info』によると、過去25年のプレーオフゲームの後半において、成功なしに終わった最多のフィールドゴール試投数という不名誉な記録に。

「理由は言わなくても知られているだろう。今さら説明する必要はない。……俺はただ、自分にできる限りベストを尽くそうとしているんだ」とエンビードはショックを隠し切れなかった。

  

  

 シクサーズの大黒柱は言うまでもなくエンビード。この男の奮起なしにシリーズ突破はありえない。チームメートのハリスはオールスタービッグマンについてこう話していた。

「彼はオフェンス面ではベストな夜ではなかった。でも試合を通じてディフェンス面でビッグプレーをいくつも決めていた。僕が言いたいのは、彼はショットを決めようが落とそうが、最も支配的な選手なんだ。僕らは彼がこのチームに何をもたらしてくれているかを分かっている。次戦できっと挽回してくれるはずさ」。

 17日に行なわれるシリーズ第5戦に向けて、エンビードは「相手を打ち負かす機会だった。でもこういう結果になってしまった。それはもう変えられないこと。第5戦に向けて進むしかない」と語り、次戦でのリベンジを誓っていた。

 次戦を制した方がカンファレンス・ファイナル進出へ王手をかけるだけに、両チームにとって負けられない一戦となることは明白。はたして、今季のMVP最終候補に入ったリーグ屈指のビッグマンが、第4戦で味わった悔しい思いをモチベーションへと変えて再び大活躍できるのか。次戦の行方に注目していきたい。

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