6月17日(現地時間16日、日付は以下同)、ダラス・マーベリックスはバスケットボール運営部門代表兼ゼネラルマネージャー(GM)を務めてきたドニー・ネルソンが退任。翌18日には今季まで13シーズン指揮を執ってきたリック・カーライルHC(ヘッドコーチ)が辞任することとなった。
両者は約40年来の友人で、2011年にフランチャイズ史上初のNBAチャンピオンに輝いたマブスにとって重要な人物だったのだが、約1日でそろって球団と決別することに。
カーライルはデトロイト・ピストンズ、インディアナ・ペイサーズの指揮官を経て、2008-09シーズンからマブスのHCへ就任。レギュラーシーズンで計1033試合を指揮して555勝478敗(勝率53.7パーセント)を記録。通算836勝は、グレッグ・ポポヴィッチHC(サンアントニオ・スパーズ/同1310勝)、ドック・リバースHC(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ/同992勝)に次ぐ現役3位という好戦績。
プレーオフには13シーズンのうち9シーズン出場し、11年にはダーク・ノビツキー(元マブス)やジェイソン・キッド、ジェイソン・テリー(いずれも元マブスほか)らを中心とした布陣で優勝。ここ2年間は1回戦敗退ながら、ルカ・ドンチッチを中心にプレーオフチームを形成していた。
現在、ドンチッチは東京オリンピック最終予選(OQT)を勝ち抜くべく、母国スロベニア代表チームに合流しているのだが、10代の頃から良好な関係を築いてきたネルソンがチームを離れたことは辛かったと記者へ語りつつ、「僕の決断を決めるものではない」と話しており、依然として来季開幕までに超大型契約を締結するつもりだという。
ここ数日の動きによって、現在NBAチームでHC枠が空いているのはボストン・セルティックス、ペイサーズ、オーランド・マジック、ワシントン・ウィザーズ、ニューオーリンズ・ペリカンズ、ポートランド・トレイルブレイザーズ、マブスの計7チーム。
候補にはチャウンシー・ビラップス(ロサンゼルス・クリッパーズAC)やキッド(ロサンゼルス・レイカーズAC)、マイク・ダントーニ(ブルックリン・ネッツAC)、ベッキー・ハモン(サンアントニオ・スパーズAC)といったアシスタントコーチ陣のほか、ブレイザーズのテリー・ストッツ前HCやウィザーズのスコット・ブルックス前HCが挙がっている。
そしてカーライル前HCが「ダラスはいつまでもホームであり続けるだろう。でも自分のコーチングキャリアにおける次の章が始まることを楽しみにしている」と『ESPN』へ伝えたとおり、フリーになったことでこの男も実績十分の候補として加わることになりそうだ。