2021.07.02

今季終了後にFAを迎える注目ガードたち…新天地候補に挙がっている球団は?

今シーズンオフにFAとなる4選手[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 NBAはシーズンの佳境を迎えているが、頂点に届かなかった球団は一足先に来季のチーム作りに着手している。例えば、ボストン・セルティックスはブラッド・スティーブンスがバスケットボール運営部代表に転身し、早くも敏腕ぶりを発揮。課題とされていたケンバ・ウォーカーの去就をアル・ホーフォードの復帰という形で、いとも簡単にまとめてみせた。

 こうしたトレードはもちろんのこと、フリーエージェント(FA)もまた、来季の行方を大きく占う可能性を秘めている。特に、今回は面白味のあるガード陣が多数市場に名を連ねる。そこで、本稿ではこの夏にFAを迎えるガードに限定して、注目選手をリストアップした。

デマー・デローザン(サンアントニオ・スパーズ)年齢:31歳

[写真]=Getty Images

 トロント・ラプターズを退団以降、デローザンの存在感が薄まったように感じている人も少なくないだろう。スパーズには今シーズン開幕前に同選手をトレードするという選択肢があった。しかし、再建期にある球団はデローザンの選手としてのクオリティーを十分に理解しており、トレードと残留を天秤にかけて、後者を選んだ。

 1試合平均21.6得点 (リーグ25位)6.9アシスト(リーグ12位)は、いずれもチームトップの成績。また、3ポイントシュートは得意としていないものの、フィールドゴール成功率は49.5パーセントと高確率で、さらに平均ターンオーバー2.0本は特筆すべきスタッツだ。ルカ・ドンチッチが4.3本、ステフィン・カリーが3.4本であることを考慮すれば、非常にミスが少なく、いかにオフェンス効率に優れたガードであるかがお分かりいただけるだろう。

 デローザンは、オフにトレードに踏み切らなかったスパーズ残留の可能性もある。しかし、“インパクト”を求めているメンフィス・グリズリーズや、さらなる躍進に期待がかかるニューヨーク・ニックス、そして自身が愛すべき故コービー・ブライアントの古巣であるロサンゼルス・レイカーズなどが新天地候補に挙がっており、引く手あまたの状況。どこへ行っても戦力上昇が確約される選手だけに、ステップアップを目論む球団は真剣にオファーを提示することだろう。

ロンゾ・ボール(ニューオーリンズ・ペリカンズ)
年齢:23歳

[写真]=Getty Images

 ド派手な弟(ラメロ・ボール、シャーロット・ホーネッツ)のNBA参戦を横目に、ボール家の長男は寡黙にバスケットボールと向き合い続けている。今シーズンの1試合平均14.6得点は、自身にとってキャリアハイ。また、課題とされていたスリーポイント成功率は37.8パーセントにまで向上し、スリーポイントの付加価値を加味したeFGパーセントは、ルーキーイヤーと比較して約10パーセントプラスの53.7パーセントにまで跳ね上がった。そして、同じく苦手分野とされていたフリースローも56.6パーセントから78.1パーセントと飛躍的な改善を見せ、今年は文字通り、堅実な成長ぶりが伺える1年となった。

 ロンゾは制限付きFAのため、現在のポールポジションには現所属のペリカンズが陣取っている。エリック・ブレッドソーはパッとせず、ロンゾとホットラインを形成していたザイオン・ウィリアムソンも退団希望の噂が後を絶たないなど、球団としてはこれ以上の弱体化は避けたいはずだ。しかし、少し前にペリカンズはロンゾをトレード候補にしていたことを忘れてはならない。その際の候補であったシカゴ・ブルズはキャップスペースに十分な空きがあり、ニコラ・ブーチェビッチをチームに迎えて再起の準備は整いつつある。そして、球団に欠けているポイントガードのポジションに、ロンゾはぴったりの配役になるだろう。

 その一方で、ロンゾがクラッチスポーツとエージェント契約を結んだことも、新天地選びを大きく左右する可能性がある。もしかすると、リッチ・ポールはロンゾをニューヨークへと連れて行き、再びジュリアス・ランドルとのペアを組ませるビジョンを描いているかもしれない。

ダンカン・ロビンソン(マイアミ・ヒート)年齢:27歳

 

[写真]=Getty Images

 2018年にドラフト外からNBA入りを果たしたヒートの背番号55は、球団の1シーズンにおける3ポイントシュート成功数や、NBA史上最速でのスリーポイント300本成功など、数々の記録を打ち立ててリーグ屈指のシューターに化けた。

 そんなロビンソンも、新たな契約を手にする時を迎えている。ヒートは残留を最優先にオファーを検討するはずだが、ケンドリック・ナンビクター・オラディポネマニャ・ビエリツァトレバー・アリーザなど、多くの選手が満期を迎え、チームの主軸であるジミー・バトラーバム・アデバヨとは高額契約を結んでおり、サラリーキャップにも決して余裕があるわけではない。

 昨今、シューターは不足しがちなエッセンスで、マーケットでも人気筆頭株。ロビンソンに熱視線を送るチームは決して少なくない。ダラス・マーベリックス、サンアントニオ・スパーズ、メンフィス・グリズリーズ、ニューヨーク・ニックスなどが可能性を探っている模様だ。また、一部ではゴールデンステイト・ウォリアーズにスプラッシュブラザーズの三男が誕生するという噂も。制限付きFAのため、現状はヒート残留が最有力とされているが、果たしてどうなるのだろうか。

カイル・ラウリー(トロント・ラプターズ)年齢:35歳

[写真]=Getty Images

 キャリア晩年を迎えているラウリーは、着々と成長した若手たちに引導を渡すことを示唆。契約満期で退団することで、チームはサラリーキャップを確保することができ、フロントは球団の中核選手や市場に名を連ねる大物たちとよりスムーズに交渉を行える。ラウリーはいつだって、ともに優勝を経験したラプターズのことを最優先に思っているのだ。

 かといって、本人もファンもまだまだ引退を許すわけがない。今シーズンは35歳にして1試合平均17.2得点、7.3アシストをマークし、後輩のフレッド・バンブリートにも威厳を示した。

 次の行先には、ラウリーの故郷に本拠地を置き、ガードと経験が不足しているフィラデルフィア・セブンティシクサーズのほか、マイアミ・ヒートやニューヨーク・ニックスなどが挙がっているが、ラプターズもラウリー残留に向けて、できることのすべてを行う構えを見せている。味方を最大限に活かすコートビジョンとハードなディフェンスは健在だけに、動向が気になる選手の1人。同じくFAのデローザンとどこかで合流…そんな淡い期待も抱いてしまう。

 文=Meiji

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