2021.07.05

さすがスニーカーキング…タッカーがヤニスより先にヤニスの新作シグネチャーを着用

今季途中にバックスへ加入したPJ・タッカー[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 NBAのキングと言えば、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)と連想するのが一般的だが、NBAにはもう1人の“キング”がいる。

 イースタン・カンファレンス制覇に大きく貢献したPJ・タッカー(ミルウォーキー・バックス)は、リーグのスニーカーキングとして知られている。まるで水を飲むかのようにスニーカーを収集するタッカーは、同じバッシュを履いている試合を探すのが難しいほどのシューズコレクターで、昨年はバブルの会場に81足ものバッシュを持ち込んだと言われている。

「ESPN」は最近、そのタッカーのさすが過ぎるエピソードを紹介している。

 リーグ有数の3&Dプレーヤーは、アトランタ・ホークスと対戦したカンファレンスファイナル第4戦で、チームメートのヤニス・アデトクンボの最新シグネチャー『ズーム フリーク 3』を着用し、試合に出場。これだけ聞くと「ヤニスの新作デビューを祝福するいい先輩だな」と感じるかもしれないが、実は肝心のアデトクンボはNBAのオンコートで『ズーム フリーク 3』を履いたことがない。すなわち、タッカーはアデトクンボより先に、アデトクンボの新作シグネチャーを履いて、試合に出場したのだ。

 通常、選手名を冠した新作シグネチャーは、本人とともにお披露目されるもの。しかし、アデトクンボは大一番でプレーに少しでも影響が出ることを嫌ってか、『ズーム フリーク 2』で試合に挑み続けた。しかし、情報解禁日や発売日は決まっている。そこで、同僚のスニーカーキングが一肌脱ぐことになったのかもしれない。

『ズーム フリーク 3』は、驚異的なアスレチック性能でコートを支配するアデトクンボの能力を最大限に引き出す構造を実現している。軽量な成形ミッドソールの前足分には2つのズームエアユニットを搭載し、圧縮からの反発エネルギーが最大限に発生するような設計だ。また、伝家の宝刀となったユーロステップの安定感を強化するために、ミッドソールの外側には、軽量で耐久性に優れたTPU製のパーツが組み込まれているという。

 なにより、バックスのNBAファイナル優勝には、アデトクンボの復帰が必要不可欠だ。怪我の状態も気になるところだが、ギリシャの怪人は次にコートに立つとき、どのモデルを選ぶのだろうか。進化を遂げた『ズーム フリーク 3』を着用した背番号34が超絶パフォーマンスを披露し、バックスに1970-71シーズンぶりの戴冠をもたらすかもしれない。

 文=Meiji

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