2021.07.19

3連勝で優勝へ王手をかけたバックスのミドルトン「皆がいいプレーをしている時は…」

敵地で行なわれた第5戦を制したバックス[写真]=Getty Images
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「もちろん、僕らはこれがどんなことか分かっている。あと1勝でNBAチャンピオンになれるんだとね」。

 ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボは、7月18日(現地時間17日、日付は以下同)に行なわれたNBAファイナル第5戦に123-119で勝利し、3勝2敗と王手をかけたあとにそう口にした。

 バックスが前回優勝したのは1971年。半世紀ぶりのNBAチャンピオンまであと1勝に迫っており、21日にホームで開催されるシリーズ第6戦でフェニックス・サンズを下すことができれば、念願のチャンピオンになることができる位置にまで到達した。

 この試合、ホームに戻ったサンズが序盤から猛攻をしかけてバックスがターンオーバーを連発。第1クォーター終了時点で16点ビハインドを背負っていた。

 だがバックスはアデトクンボがベンチで休んでいた第2クォーター序盤にブルック・ロペスドリュー・ホリデーボビー・ポーティス、パット・カナトンらが加点して約4分間で同点に追いつく奮戦を見せ、そこから徐々に主導権を握っていく。

 第3クォーターではクリス・ミドルトン、アデトクンボ、ホリデーという3本柱がスコアを伸ばし、2ケタ得点差をつけることに成功。第4クォーター序盤に14点差をつけたバックスだが、サンズが徐々に追い上げていき、残り56.6秒にクリス・ポールのショットが決まって1点差に。

 バックスはタイムアウト明けのポゼッションでホリデーがショットを落としてしまったものの、次のポゼッションでブッカーから貴重なスティールを奪い、そこからアデトクンボのアリウープダンクにつながるパスを繰り出して勝敗を決した。

 このスティールについて、ブッカーは「僕はなんとか点を取ろうとしていた。そこで彼が後ろにいたんだ。ターンした時にいいところにいたんだ」と語れば、モンティ・ウィリアムズHC(ヘッドコーチ/サンズ)も「あれはドリューのすばらしいプレーだ。それ以外に言葉が浮かばないよ」と驚嘆。

 ブッカーとホリデーはジャンプボールと判定されそうなほど激しいボールの奪い合いとなったのだが、「正しい場所、そして正しい時にいた」というホリデーがパワーでもぎ取ったのである。

 残り1分を切ってわずか1点リードという緊迫した場面だったものの、ホリデーはアデトクンボへのロブパスをチョイス。「ヤニスがボールを求めて跳び上がったんだ。だから僕は、できるだけヤニスにしか手の届かない高さに出したんだ」と勝利の殊勲者が振り返ると、アデトクンボはこう語っていた。

「あのパスは信頼があればこそなんだ。当然、彼がボールをコースから外してしまっていたかもしれない。(ショット)クロックが進んで、いいショットが打てたかもしれない、でも彼は僕のことを信頼してくれた。だからボールをあそこへ出して、僕らはあのショットを決めることができたんだ」。

 見事シリーズ3連勝を飾ったバックスは、アデトクンボが32得点9リバウンド6アシスト、ミドルトンが29得点7リバウンド5アシスト、ホリデーが27得点13アシスト3スティールと3本柱が大暴れ。さらにカナトンが14得点、ロペスとポーティスがそれぞれ9得点をマーク。

 この日もタフショットを連発して沈めたミドルトンは「僕らは一丸となってプレーすれば、ガードするのがタフなんだと分かっている。特にディフェンスで、僕らはスイッチできるし、どうすれば互いを支え合えるかも理解している。でもね。皆がいいプレーをしている時というのは、僕らはベストチームの1つなのは確かだね」と自信に満ちていた。

 シリーズが進むにつれて、一段と団結しているバックス。敵地で行なわれた激戦を制したことで、その自信は増すばかり。第6戦でシリーズを最高の形で締めくくることができるのか、要注目の一戦となることは間違いない。

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