「僕らが取り組んでいることは、まさに優勝することであって、僕自身がどこかほかのチームへ移籍するつもりはない」

　今シーズン、NBAキャリア2年目を迎えたマイアミ・ヒートのタイラー・ヒーロー。ドライブや3ポイントシュートなどの武器を有しており、勝負所ではクラッチショットを沈める力にも長けている。今季はレギュラーシーズン54試合中15試合にスターターとして出場し、平均15.1得点5.0リバウンド3.4アシストと、昨季と比べて軒並み成績を向上させた。

　だが優勝を目指すヒートはさらなるスター選手の獲得を目指していることが兼ねてから噂されており、トレードの話が浮上するたびにヒーローの名前が含まれていることがある。昨季のロサンゼルス・レイカーズとのNBAファイナルで存在感を発揮していたこと、それでいてまだ21歳という年齢を踏まえれば、選手としての価値は高い。そうなればトレードの際に他球団から交換相手として求めれることは自然なことだろう。

　しかしヒーロー自身はこういった噂を気にせず、ヒートの一員として優勝を目指していることを、『FadeAway World』を通して以下のように語っている。

「（トレードの噂について）そういう類のものはもうすべて聞いたよ。プレーしていない時でもしている時でさえも、僕の名前は浮上する。でも僕はただ自分が成長することと、このチームをより良くしていくことだけに集中していく。昨晩はミルウォーキー（バックス）が優勝したのを見たし、とても楽しそうに思えた。僕らが取り組んでいることは、まさに優勝することであって、僕自身がどこかほかのチームへ移籍するつもりはないよ」

　今季レギュラーシーズンでは優秀な成績を残したヒーローだったが、バックスとのプレーオフファーストラウンドでは平均9.3得点3.3リバウンド1.8アシストとパフォーマンスが下がり、このシリーズを4連敗で終えた。ヒートは今後も大型補強のためにトレードを検討していくかもしれないが、ヒーローはポストシーズンでの結果を糧に、周囲の雑念にとらわれず練習に励んでいくことだろう。