2021.12.01

復帰が迫るトンプソン…18本連続のショット成功&ゲームウィナーを指揮官が絶賛

トンプソンは復帰へ向けて順調にメニューをこなしている[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 ゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーヘッドコーチは先日、スプラッシュ・ブラザーズの1人を傘下のサンタクルーズ・ウォリアーズへと送り込んだ。これはクレイ・トンプソンが着実に復帰へと近づいている紛れもないサインであり、NBAファンたちは吉報に心を高鳴らせていることだろう。

 トンプソンは十字靱帯断裂とアキレス腱断裂という2度の大怪我に見舞われ、2年半ほどコートから遠ざかっている。カーHCはトンプソンの復帰時期の明言を避けているものの、同選手は先日、すべてのチーム練習に参加。自身も「またこうしてバスケットボールができるありがたさを、言葉で表現するのは難しいね」とコメントし、プレーする喜びを噛み締めた。

 Gリーグでの調整は、トンプソンにより実践的なワークアウトを課すためのものと思われる。選手自身も急ぐことなく、怪我前に匹敵するコンディションでの復帰を望んでおり、『CBS Sports』によれば、トンプソンはチームから100パーセントのGOサインを受けて、サンタクルーズの練習に参加しているという。

 トンプソンの練習を見守ったサンタクルーズ・ウォリアーズのヘッドコーチを務めるセス・クーパーも、同選手のコンディションには納得の評価を与えている。

「彼にはフルでの調整許可が下りています。だから、我々が実施したことに対して、彼は100パーセント、完全にこなしました」

「彼を引き止めることはできませんでした。押さえ込むことも、引き下がることもなく、ただ彼を解き放ち、全力でプレーさせることを経験させました。彼はそれをやり遂げましたし、とてもいい状態に見えました。私の記憶では、彼は最初の18本のショットをすべて成功させたと思います」

 トンプソンはサンタクルーズの練習で、スクリメージにも参加。本調子で復帰できるのか、伝家の宝刀は錆びていないのか……ファンたちの間では様々な不安が頭をよぎっているはずだが、どうやらそれは余計な心配かもしれない。試合終了間際、トンプソンはボールを自らフロントコートまで運び、そして見事なストップ&ジャンプでゲームウィナーとなるクラッチスリーを沈めてみせた。

 

 トンプソンは月曜日の練習後、順調な回復に納得しつつも、地に足をつけて未来を見据え、ロスターへの復帰を待望した。

「僕は“待ち切れない”という言葉を使いたくはない。なぜなら、僕は自分の人生を生きることを誇りに思っているから。それでも、待ち切れないよ。僕は心の底からウォリアーであることを楽しんでいるんだ」

 ポートランド・トレイルブレイザーズとの試合後、「Thomp-Son」チャントの大合唱を受けたトンプソン。それを受けた3度のNBAチャンピオンは感情が込み上げ、頭にタオルを被ったまま35分間、試合後のベンチから離れることができなかった。上記コメントのように、メディアには冷静な対応ととっているものの、内心は使いたくない言葉を使ってしまうほどに、1日でも早い復帰を望んでいる。

ファンのチャントを受けたトンプソンは、試合後のベンチから離れられなかった[写真]=Getty Images


 試合後、1人で考え込むトンプソンのもとに舞い戻ったチームメイトの1人、ドレイモンド・グリーンは、そんなトンプソンの気持ちを汲み取ると同時に、最大限の賛辞を送っている。

「彼の復帰はまもなくだ。長いトンネルを抜け、新たな道を歩み始めようとする。彼にだって時々、このような日はある。クレイはバスケットボールを愛していて、彼と同じようにバスケットボールを愛している人を俺は知らない。彼ほど競争を愛している人も知らない。彼はコンペティターであり、俺の人生の中でも最強の競争相手だよ」

 復帰に向けて、順調にメニューを消化しているトンプソン。このまま調整が進めば、当初復帰の目処とされていたクリスマスゲームでのカムバックも十分に考えられる。

 絶好調のウォリアーズをさらに強化する、球団第二のエースの復帰。その時は刻一刻と迫っている。

 文=Meiji

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