2021.12.08

スターターかベンチか…ウィザーズが考えるべき八村塁復帰後のローテーションとは

開幕から欠場が続いている八村塁(写真は昨シーズン)[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 堅実な補強で見事な底上げに成功したワシントン・ウィザーズは開幕後、10勝3敗と絶好のスタートを切った。しかし、直近10試合は4勝6敗に現在は3連敗中と、失速ムードが漂い始めている。

 この2週間のチーム状況を見て、コーチ陣は早急なテコ入れを考えたいところ。しかし、彼らにはまだ手札に残しているカードがある。そう、八村塁トーマス・ブライアントの復帰だ。

 かつては贅沢すぎると思われたウィザーズのロスター。しかし、『The Athletic』のジョシュ・ロビンス記者は、ケガや選手個人のコンディションを考えると、バックコート陣の限られた選択肢がほころびを生みつつあるとの見解を示している。

 ラトビアン・レーザーことダービス・ベルターンスは、左足の負傷から復帰以降もシュート精度が上がらず、今シーズンの3ポイントシュート成功率はキャリア最低の25.0パーセントにとどまっている。また、八村の後輩であるコーリー・キスパートもプロの空気に慣れるにはしばらく時間が必要な印象。加えて、二枚看板のブラッドリー・ビールスペンサー・ディンウィディーが欠場した場合の戦力ダウンも避けられないとなると、同記者の言うとおり、ウィザーズのコーチ陣は1日でも早い八村とブライアントの復帰を願っているに違いない。

シューターであるベルターンスの3ポイント成功率はキャリア最低の25パーセント[写真]=Getty Images

ウィザーズ指揮官が考える八村の起用法とは

 では、八村とブライアント復帰後のローテーションはどうなるのだろうか。ウェス・アンセルドJr. ヘッドコーチは、ローテーションの手薄な部分を段階的に調整し、悩みの種を解消することができる。

 八村は昨シーズン同様、パワーフォワードのスポットに復帰すると思われる。先日公開されたシュート練習では、伝家の宝刀であるシャープな2ポイントジャンパーを確率高く決めており、3ポイントもポジションを変えながら5本連続で沈め、精度向上は顕著。現在のロスターに欠けていたオプションとストレッチ性能は、チームのオフェンスを間違いなくひとつ上のレベルに押し上げてくれるはずだ。

 その場合、ウィザーズはカイル・クーズマをロサンゼルス・レイカーズ時代のように、スモールフォワードでプレーさせることが可能。そのしわ寄せでデニ・アブディヤの出場機会は減少するだろうが、同選手はディフェンス面で高い貢献を示しており、今後もセカンドユニットの重要なピースとしてウィザーズの重要なファクターを担うことになる。

八村をPFで起用する場合、クーズマをSFで起用することになる[写真]=Getty Images

 一方、ブライアントの復帰は、インサイドの組み合わせに幅を生み出す。ダニエル・ギャフォードモントレズ・ハレルはペイントエリアを主戦場とするため、ペリメーターからもシュートを放てるブライアントとの相性は良いはず。また、ブライアントは直近の2シーズン、3ポイントも40パーセント以上の成功率を誇っており、この驚異はビールやディンウィディーに切り裂くスペースを提供するに違いない。しかし、ロビンスはブライアントのディフェンス難を指摘したほか、ハレルのオンコートにおける影響力の高さと、ギャフォードのリムプロテクターの素質を強調しており、指揮官には状況に応じて繊細な使い分けが求められることになる。

 八村のスターターの可能性は、直接的にはクーズマとの比較、そしてクーズマとケンテイビアス・コールドウェル=ポープとの競争次第だろう。無論、八村はアンセルドJr.HCのシステムへの適応が必須任務であり、しばらくゲームから離れていたこともあって、復帰後早々、先発として起用されるかには疑問が残る。

 それでも、記者会見におけるコメントからは、八村へ対する期待と信頼を感じずにはいられない。日本の至宝がワシントンに復帰する日は刻一刻と迫っている。

 文=Meiji

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