2022.03.07

レブロンが歴代ベストスコアラー議論に自身の名前が挙がらないことへ嫉妬「ムカつくよ」

レブロンが自身の得点能力に対する世間の反応について
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 ゴールデンステイト・ウォリアーズとの一戦で56得点と大爆発したレブロン・ジェームズが、再びTVスクリーンに帰ってくる。

 アメリカ最大級のケーブルテレビ放送局「HBO(ホーム・ボックス・オフィス)」の『The Shop: Uninterrupted』は、レブロンと彼の親友でありビジネスパートナーのマーベリック・カーターがホストを務める人気トーク番組だ。過去には盟友のクリス・ボッシュ、ケビン・ラブカーメロ・アンソニーらのほか、ドレイモンド・グリーンアンソニー・デイビスベン・シモンズデマー・デローザンなど数多くのNBA選手が出演。そしてこの度、最新シリーズ“シーズン5”の放送が決定し、YouTubeにプレミアが公開された。

 今回のプレミアには、俳優やコメディアンなどマルチな顔を持つドナルド・グローヴァーをはじめ、NFLのボルチモア・レイブンズに所属するラマー・ジャクソン、ナイキとのコラボレーションも記憶に新しいラテン・ポップ・シンガーのJ・バルヴィンらがクレジット。各著名人に様々な質問が投げかけられる一環では、もちろんレブロン本人にもマイクが向けられ、出演者からの問いに対して興味深い返答を返している。

 そのひとつは、NBAの歴代最高スコアラー論について。「NBA スコアラー」の検索ワードにはマイケル・ジョーダンやカリーム・アブドゥル・ジャバーといった往年の名選手をはじめ、ケビン・デュラントステフィン・カリーといった現役選手の名前が挙がるのが常だが、意外にもキングが議論の中心になることはない。

 これについて、当の本人は以下のようにコメントしている。

「おかしなことだけど、俺は生まれながらのスコアラーではない。俺は仲間を巻き込むのが好きで、いつもそうしてきた。自分のパスからチームメートが得点するのを見るのが好きで、ずっとそういうタイプの選手だったと思っている。それでいながら、歴代最多得点ランキングの頂点に立つのは、不思議な感覚だね。ただ、歴代ベストスコアラーを議論する時、俺の名前は決して挙がらない。ムカつくよ。みんな、俺の名前を出すことはないんだ」

 レブロンは現在、ジャバー、カール・マローンに次いで歴代得点ランキングで3位に位置している。このままのペースで40歳まで現役を続ければ、ジャバー越えはほぼ確実。それでも、レブロンが“スコアラー”として認識されていないのは、リバウンド数も1万本を超え、アシスト数もあと数試合で1万本に到達するほどの完成されたオールラウンダーと認識されているからにほかならない。また、レブロンは一ケタ得点で終わるようなゲームがほとんど存在せず、かつてのチームメイート、リチャード・ジェファーソンは「毎晩17〜30得点を記録していた」と、同選手の一貫性を高く評価している。

かつてのチームメートもレブロンの得点力を高く評価[写真]=Getty Images


 また、レブロンと言えば、ビッグゲームや逆境の強さもキングたる由縁として知られているが、そのエネルギーを創造するためのユニークなゲーム前ルーティーンについても赤裸々に告白している。

「(小説『ジキル博士とハイド氏』の)ハイド氏のような、何かしらの刺激が必要なんだ。例えば、昨夜よく眠れなかった時などは、ちょっとしたジャンプスタートが必要で、ウォームアップ中にフロアに出た際に“レブロンヘイター”を探すんだ。1人で構わない。頼むから、どこかにレブロン嫌いな奴がいてくれって思うよ。そして、試合の20分前に『おお、今日も来ているな』と、そいつのことを見るんだ(笑)。これで準備が整うんだよ」

 レブロンのモチベーションコントロールが、まさかのヘイターを逆手に取ることだったとは驚き。とりわけアウェーでは、レブロンに対して全方位からブーイングが浴びせられることもしばしばだが、もしかすると、相手球団のそのような行いはレブロンにむしろ活力を与えてしまっているかもしれない。

 果たしてこの先のエピソードで、レブロンからどのような発言が飛び出すのだろうか。今シーズンもNBA選手や大物アーティストとの掛け合いから目が離せない。

文=Meiji

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