2022.04.13

米専門誌が選ぶ25歳以下のオールNBA…今季不出場ザイオンの評価はいかに

『The Athletic』が25歳以下のオールNBAチームを選出…ザイオンの評価は?[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 レギュラーシーズンを終えた2021-22シーズンのNBAは、才能のある若手にとって実りのある1年となった。ジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)は一躍リーグのベストプレーヤーの1人として頭角を表し、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)はポストケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)の地位を確固たるものにした。

 ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)については言うまでもないが、今年はルーキーも上々の成績を残しており、彼らの中から未来のスターが生まれることは容易に想像がつくだろう。

『The Athletic』のジェームズ・エドワーズ3世とマイク・ヴォルクノフは、素晴らしい1年を過ごした若手を讃え、25歳以下のオールNBAを編成した。基準は至ってシンプルで、来シーズン開幕までに25歳以下であること、そして今シーズンの成績を考慮しつつ今後の活躍も期待できる選手が条件となっている。

 まずは、2人の編成から。(★はスターター)

■ジェームズ・エドワーズ3世
ガード:ルカ・ドンチッチ(★)、ジャ・モラント(★)、トレイ・ヤングラメロ・ボールケイド・カニングハムダリアス・ガーランド
ウイング:ジェイソン・テイタム(★)、ブランドン・イングラム(★)、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーアンソニー・エドワーズ
ビッグマン:バム・アデバヨ(★)、エバン・モブリー、ジャレン・ジャクソン・ジュニア、ザイオン・ウィリアムソンスコッティ・バーンズ

■マイク・ヴォルクノフ
ガード:ルカ・ドンチッチ(★)、ジャ・モラント(★)、トレイ・ヤングラメロ・ボールケイド・カニングハムダリアス・ガーランド
ウイング:ジェイソン・テイタム(★)、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーアンソニー・エドワーズスコッティ・バーンズ、デズモンド・ベイン
ビッグマン:バム・アデバヨ(★)、ザイオン・ウィリアムソン(★)、エバン・モブリー、ジャレット・アレン

今季躍進を遂げた若手選手が名を連ねる

 ガード陣は序列こそ若干の違いがあるものの、両者はドンチッチに始まり、順当に6名をピックアップ。ここでは入閣したプレーヤーよりも、惜しくも選出から漏れた選手について、各自持論を繰り広げている。

 エドワーズ3世は、大きな成長を遂げたガーランドの次点にディアロン・フォックス(サクラメント・キングス)がいたと明かし、ヴォルクノフはタイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)の名前を挙げた。また、2人は平均18.5得点を記録したジョーダン・プール(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、リーグ後半戦からスコアリングモンスターの片鱗を示したジェイレン・グリーン(ヒューストン・ロケッツ)にも言及している。

両者は次点にフォックス(左)とハリバートン(右)を挙げた[写真]=Getty Images


 続いて、ウイング勢はテイタムが突出した存在であることに異論はなく、以下にシェイ・ギルジャス・アレクサンダー(オクラホマシティ・サンダー)、アンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)らが続くという評価に。このポジションについては、ニューオーリンズ・ペリカンズのエースを務めるイングラムを選出するか、リーグ屈指のアウトサイドシューターに仲間入りしたメンフィス・グリズリーズのベインを選出するかの違いに焦点が当たった。

 ベインを選出したヴォルクノフは、イングラムについて「本当に悩んだし、正しい決断ではなかったかもしれない。これは彼へのヘイトスピーチではない」と、オールスター目前の才能のあるウイングを讃えながら、熟考の末だったと心情を吐露。そのうえで、同氏はデビューから2年間で43.5パーセント(1試合平均試投数5.5本)の3ポイント成功率を誇り、ディフェンス面における貢献度も高いベインに軍配が上がったと説明した。

ベインは攻防両面で活躍を見せ、グリズリーズの2位フィニッシュに大きく貢献した[写真]=Getty Images


 最後は、ビッグマンについて。エドワーズはジャレン・ジャクソンJr.(グリズリーズ)がコートの両端で脅威になったことに触れながら、アデバヨ、モブリー、バーンズにも共通点があると述べ、バーンズについては、ルーキーとは思えない安定感に舌を巻いた。一方、ヴォルクノフはクリーブランド・キャバリアーズの大黒柱であるジャレット・アレンをセレクト。アデバヨほど素晴らしいスイッチャーではないものの、スクリーンセッターやスペースメーカーとしての貢献、安定した得点効率、そして卓越したディフェンススキルが選出の理由となったようだ。

アレンは今季自身初のオールスターへ選出されるなど飛躍のシーズンを送った[写真]=Getty Images

今季不出場のザイオンは『エニグマ(謎)』

 そして、最後はやはり、今シーズン1度も試合に出場しなかった未完の大器、ザイオンについてコメントを交わした。ヴォルクノフは「信じられないほどの才能と技術を持っている」と、ポテンシャルに期待感を示した。続けて、昨シーズンの平均27.0得点は特筆に値するスタッツであるとし、コンディションが整えば5本の指に入るベストプレーヤーであると実力を高く評価しながら、同選手を“バスケットボール・アベンジャーズ”と名付けた。

 しかし、エドワーズはリストにこそザイオンの名前を入れているもの、ヴォルクノフとは対照的に慎重な姿勢を保っている。その存在については“エニグマ(謎)”との見解に止め、「リーグに入って以来、奇妙な存在」とコメントを添えて、今後が不透明であることを危惧した。

 終始盛り上がりを見せた両者のU25オールNBA。異なる見解をお持ちの方は是非、自身のSNSなどで持論を展開してみてはいかがだろうか。

 文=Meiji

ザイオンは負傷の影響で今シーズン1度もコートに立つことができなかった[写真]=Getty Images

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