2022.04.18

アービングがPO1回戦で古巣セルティックスのファンに中指を立てた理由を説明

4月18日のPO1回戦でアービングは古巣セルティックスのホームアリーナにたった[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 カイリー・アービング(ブルックリン・ネッツ)とボストン・セルティックスは、“水と油”の関係なのかもしれない。

 プレーイントーナメントからプレーオフに駒を進めたネッツは、ファーストラウンドでセルティックスと対戦。4月18日(現地時間17日)に開催された第1戦は、ジェイソン・テイタムが華麗なムーブから劇的なブザービートを決めて115-114でセルティックスに軍配が上がった。

 この日もアービングには、セルティックスのファンから罵声が浴びせられた。かつてこの地に籍を置いていたアービングは、チャンピオン経験者として鳴り物入りで加入した期待とは裏腹に、チームへの溶け込めなさからか球団への忠誠心を示すことなく、ボストンを去っていった。

 そんな不義理な選手をセルティックスの熱狂的なファンが許すわけもなく、ネッツがボストンへ遠征に来るたびブーイングを送り続けている。昨年、そんな古巣サポーターの態度に嫌気が差した同選手は、TDガーデンのセンターサークルに配されているセルティックスのシンボルキャラクター、レプラコーンの顔面を踏みつける様子が撮影された。これにより、アービングとボストンファンの関係性にはより大きな亀裂が入り、両者は未だに激しい火花を散らしている。

 無論、シーズンの行方を占うプレーオフ初戦ではアービングがボールを持つ度にTDガーデンから激しいリアクションが巻き起こった。そして、試合前は温厚な姿勢を貫いていたアービングも過激なブーイングに堪忍袋の尾が切れ、駆けつけた観衆に向けて中指を立てる姿が確認されている。

 このリアクションに対しては試合中から大きな批判が上がったが、選手は試合後のインタビューで自身の行いをこう説明している。

「彼ら(ボストンのファン)が僕に対して抱いているエネルギーと同様に、僕も彼に対してエネルギーを抱いている」

「“クソ野郎”だの、“くたばれ”だのと叫ばれたら、ライバルとして我慢できることは限られている。でも、それがプレーオフなんだ。ここで何を期待されているかは理解しているし、同じエネルギーを彼らに返す用意はしてあるよ」

 この日、ゲームハイの39得点をマークしたアービングにも、一人の人間として我慢の限界がある様子。しかし、ボストンに戻ってくる度に受ける“敵意”について問われると、「敵意ではない、バスケットボールだ」とし、遮るかのように記者の質問を拒絶。ただ、“敵意”を“エネルギー”に置き換えた問いに対しては「ダークサイドだ。受け入れている」と返答している。

 アービングとセルティックスファンのやりとりは、アービングの言うように“バスケットボールの一環”と捉えることもできる。この状況についてコメントを求められたシャキール・オニールは次戦の展望を述べるかたわら、同じボストンでのプレー経験者としてアドバイスを送っている。

「本当のことなど、どうだっていい。特定の都市において、ファンは選手の記者会見の発言なんて気にしない。第2戦で何が起こるかわかるだろう? ボストンのファンはもっと罵声を浴びせるだろう。男なら毅然としていろ」

 果たして、過激な舌戦下で繰り広げられる同ラウンドを勝ち上がるのはどちらだろうか。いずれにせよ、勝敗と並行してアービングのリアクションにも注目が集まることは間違いない。

 文=Meiji

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