2022.08.17

ザイオンが最も影響を受けた漫画『NARUTO -ナルト-』への愛を語る

NARUTOへの作品愛を語ったザイオン・ウィリアムソン[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 漫画・アニメは、世界を最も魅了する日本発祥の文化だ。その影響は超人のみが所属することを許されるNBAにも波及している。

 岸本斉史作の漫画『NARUTO-ナルト-』は、2014年の連載終了後も未だ熱狂的なファンの多い不朽の名作だ。再現度の高いコスプレをする者、タトゥーを入れる者など忠誠心の表現はさまざまだが、ザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)はアスリートの中で最も同作品への愛が深い人物だろう。

 ザイオンとNARUTOの関係性は、ジョーダンブランドより発表したシグネチャーシューズ『ザイオン 1』のコラボレーションが記憶に新しい。この際、ペリカンズの怪物は岸本先生より木の葉の里の忍者を模した自身のイラストを送られており、「光栄です。NARUTOは今でも僕にインスピレーションを与えています」と、心からの感謝を述べている。


 同選手は最近、『サンディエゴ・コンベンション・センター』で開催されたポップカルチャーの祭典「コミコン・インターナショナル」にゲストとして登壇した。目的は、先述のスニーカーコレクションのプロモーション。もちろん、『スムージー・キング・センター』とは雰囲気が異なり、ザイオン本人も彼目当てでの来場者がいないことを理解していることから、ステージでは少し緊張した面持ちだった。しかし、彼が漫画を一度全巻読破した程度のファンでないことは周知の事実で、会場は同選手を温かく向かい入れた。

 例えば、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)が息子の名前を記し、八村塁(ワシントン・ウィザーズ)が日本にトリビュートを捧げるように、ザイオンもまたバスケットシューズというアートキャンバスで個人のコアを表現してきた。

 自身にとってNARUTOの存在について「僕の現在地、今日に至るまでに経験したことのすべてにおいて、NARUTOはいつも隣にあり、これからもそれが変わることはないでしょう」と影響の大きさを口にした。

ザイオンはNARUTOの顔を模したスニーカーを履くなど深い作品愛を示している[写真]=Getty Images


 また、ザイオンはオールNBAならぬ“オールナルト”を選出しており、そこにはナルトをはじめ、イタチ、自来也、ミナト、柱間が名を連ねている。とりわけ、同選手は初代火影はマイケル・ジョーダンに最も似ているキャラクターと考えているようだ。

 加えて、ザイオンは自身のキャリアを主人公のナルトに重ね、今後のキャリアについても自信を覗かせている。

「しばらくの間、ナルトのことを相手する人は誰一人としていませんでした。でも、そこから自来也の元で3年間修行を積み、16歳になって里に戻ってきた。昔は恩師が僕の未来を確信していることに疑問しかなかったけれど、案の定、16歳になると突然、世間から注目を浴びるようになりました。不思議に思ったことを鮮明に覚えています。まさにナルトに起きたことが僕にも起きた瞬間でした」

 レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)以来の才能と称されたが、体重の問題やチームとの関係性を幾度となく取り沙汰されてきたザイオン。しかし、こうした逆境への対処もNARUTOからの教えが糧になっているという。

「世間が何と言おうと、僕は僕であることを忘れず、それに忠実でいなければなりません。ナルトはそうしてきました。だから、僕もそうするつもりです」

 文=Meiji

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