2022.10.01

ウィザーズ最初の攻撃で美しいジャンパーを沈めたビール「すごく感謝している」

約8か月ぶりの復帰となったビール[写真]=伊藤 大允
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 9月30日。ゴールデンステイト・ウォリアーズとワシントン・ウィザーズがさいたまスーパーアリーナで「NBAジャパンゲームズ2022」を戦い、ウォリアーズが96-87で勝利を収めた。

 28日にアメリカから日本へ到着した両チームは、翌29日にチーム練習を行い、30日に今季のプレシーズン初戦を迎えた。2019年以来、3年ぶり通算8度目となった今回のジャパンゲームズの主役は、なんと言っても19年のドラフトでウィザーズ入りした八村塁

 この試合で先発起用された24歳の日本人フォワードは、チーム最多の25分10秒コートに立ち、持ち味であるミドルレンジジャンパーやドライブを成功させて計13得点9リバウンドを記録した。

 今季のウィザーズは新加入選手が複数いることもあり、プレシーズン初戦ではモンテ・モリスやデロン・ライト、タージ・ギブソンといった選手たちや若手をコートへ送り込んだのだが、このチームのリーダーを務めるブラッドリー・ビールにとっても新たな一歩となったことは見逃せない。

ウィザーズのエースが繰り出した美しいジャンパー[写真]=伊藤 大允

 というのも、昨季ビールは左手首のケガのため、今年1月下旬を最後に戦線離脱しており、この日は約8か月ぶりの試合だったからである。在籍11シーズン目のトップスコアラーは、ウィザーズ最初のポゼッションで、クリスタプス・ポルジンギスのスクリーンで右サイドから左サイドへ移動し、ボールをもらってからステップバックしてディフェンダーとの距離を生み出し、慎重かつスムースにジャンプショットを放った。

 プレシーズンとはいえ、ウィザーズにとっては今季初の試合。日本開催という特別な状況ではあったものの、エースが繰り出した美しいショットは、リングに吸い込まれるかのように綺麗にスプラッシュし、チームへジャパンゲームズ先取点をもたらしたのである。

 試合後の会見で、ビールへそのポゼッションとショットについて聞いてみると、この日のシュートアラウンドでウェス・アンセルドJr.HC(ヘッドコーチ)から事前に言われ、チームとしてデザインされたプレーだったと話してくれた。約8か月ぶりにコートへ立つエースへ勢いを与えるべく、指揮官が下した気遣いに、ビールは「すごく感謝している」と語っていた。17分34秒の出場で9得点3アシスト2スティールを残した男は「最高だったよ。フロアに戻ってこれて、今日は超ワクワクしたんだ」とこの試合を振り返っていた。

試合後の会見で笑みを見せたビール[写真]=伊藤 大允

 また、ビールは日本のファンから会場でも大歓声を浴びていた八村についてこのように話していた。

「今の彼にはものすごい自信が備わっていて、すばらしいレベルでプレーしているし、(感情面でも)最高の状態にある。彼はすごく特別であり、僕らは彼のことが大好きなんだ」。

 ウォリアーズとウィザーズは、10月2日にジャパンゲームズ第2戦に臨み、その後アメリカへ戻ってそれぞれのプレシーズンゲームをこなし、レギュラーシーズン開幕を迎える。

 日本滞在時間は残り少ないものの、選手たちやチームには是非ともこの機会を今後何かへ活かしてほしいところだ。

 文=秋山裕之

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