2022.10.03

ウォリアーズの日本滞在記…カリーは相撲、プールはハリネズミ、ワイズマンは侍体験

ウォリアーズとウィザーズが日本でプレシーズンマッチを行った[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

「NBA JAPAN GAMES 2022」は、興奮冷めやらぬままに閉幕した。今年はチャンピオンチームのゴールデンステイト・ウォリアーズと、八村塁擁するワシントン・ウィザーズが来日したとあって、開催の数日前から国内のNBAファンのボルテージは最高潮に達していたように思える。

 試合はウォリアーズが連勝。しかし、八村もゲーム1でチームハイ、ゲーム2でダブル・ダブルをマークするなど、母国のファンの前でドラフト上位指名の貫禄を堂々と見せつけてくれた。

 日本でのプレシーズンマッチは、2022-23シーズンの開幕を世界的に祝福する一種のお祭りのような位置付けにある。太平洋を横断してのツアーは選手にとってもまたとない機会であり、『The Athletic』によると、八村はチームを鉄板焼きでもてなし、あまりの盛り上がりから選手たちは午前3時までホテルに帰らなかったという。

 一方、ウォリアーズ一行も短い空き時間を利用して、各々で日本を満喫している姿が確認された。

 ステフィン・カリーは、同じアスリートとして相撲力士へ興味津々。練習に訪れた元横綱白鵬の宮城野親方とは簡単な取組を行ったほか、後輩のジョーダン・プールとレスター・キノネスを連れて、同じく元横綱の武蔵丸が師匠を務める武蔵川部屋にも訪問した。
 

 カリーはアスリートの頂点に君臨する選手だ。その背番号30を持ってしても、力士には並々ならぬ尊敬の念を抱いている。東京遠征からベイエリアに戻る飛行機への搭乗前、カリーは相撲に触れた1時間を最高の思い出として言及している。

「彼らの練習を視察させてもらった。土俵の上で2、3分睨むあうこともできたよ。彼らがどのように生活しているのか、その規律と身体性を間近で体験したかったんだ。本当に素晴らしい一時だったよ」

 最も微笑ましかったのは、アンドリュー・ウィギンスとプールがハリネズミと触れ合っているシーンだ。2人が訪れたのは東京・原宿にある『HARRY』。リーグではルディ・ゴベア(ミネソタ・ティンバーウルブズ)やディアンドレ・エイトン(フェニックス・サンズ)のような強靭なビッグマンにも勇猛果敢に飛び込んでいく2人だが、小さなハリネズミに緊張する姿にはたくさんのコメントが寄せられている。

 


 
 ケボン・ルーニー、ジェイムズ・ワイズマン・モーゼス・ムーディーの3選手は、侍への憧れから居合術に挑戦。ルーニーのインスタグラムには『るろうに剣心』顔負けのポーズでうれしそうにポーズを構えるグループショットが投稿されており、これに対して先輩のクレイ・トンプソンは「お前たち、何で誘ってくれなかったんだ。おかしいだろ」と嫉妬心を抱いている。


 そのほかにも東京タワー前で記念写真を撮影するなど、充実の一時を過ごしたウォリアーズ。何より、両球団ともに日本の慎ましい国民性にも感銘を覚えた様子で、アメリカでの試合との違いを問われたウォリアーズのスティーブ・カーヘッドコーチは以下のように返答している。

「スタジアム内の雰囲気が違いました。ひとつひとつのアクションに対して静かに、集中して観戦していて、いいプレーが飛び出た際には拍手が巻き起こる。スタッフの1人はまるでテニスの試合のようだと言っていました。文化的観点の違いを体感することができました」

 来週からは本格的なキャンプ、そして10月19日(現地時間18日)には遂に新シーズンが開幕する。日本のエネルギーを持ち帰った両球団のスタートダッシュに期待したい。

 文=Meiji

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