来シーズンの年俸総額と贅沢税を合算した支払総額は史上空前の約715億円！？

　10月16日（現地時間15日、日付は以下同）。ゴールデンステイト・ウォリアーズは、ジョーダン・プールと4年1億4000万ドル（約207億2000万円／インセンティブを含めた合計額）、アンドリュー・ウィギンズと4年1億900万ドル（約161億3200万円）の延長契約に合意したと『ESPN』が報じた。

　昨シーズンにリーグを制したウォリアーズは、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンというビッグ3がおり、今夏にはケボン・ルーニーと再契約を結び、プールとウィギンズというコアメンバーと延長契約を結んだことで“強固な基盤”を保持することに成功。

　ただその一方で、昨シーズンにこのチームはNBA史上最高額となる1億7000万ドル（約251億6000万円）ものラグジュアリータックス（贅沢税）を支払っており、年俸総額は併せて3億4600万ドル（約512億800万円）となった。

　そして今回プールとウィギンズと延長契約を結んだことで、両選手の新契約がスタートする2023－24シーズンはおよそ4億8300万ドル（約714億8400万円）という、史上空前の金額になると『ESPN』が報道。

　すると17日にボブ・マイヤーズGM（ゼネラルマネージャー）が会見を開き、「どのくらいの数字になるかは知っている……。今シーズンに何が起こるかを見てみないと、次のシーズンにどうなるかを評価することはできない」と口にし、さらにこのように続けていた。

「私が知っているのは、勝利することに全力を注いでいく、ということ。それは常にやってきたことであり、私は今後もずっとそうであることを信じている。（オーナーシップ）グループがそのことを信じてくれて、私はラッキーだ。彼らの行動がそのことを証明してくれている」

　今回の高額な延長契約に、プールは「思わずニヤけてしまったんだ。本当に、やめようとトライしたんだけどね。すごく特別なことであり、人生を変える瞬間になった」と語れば、ウィギンズも「ここにいられてハッピーだね。それにこのチームには何か特別なことができるチャンスがある。僕らがやっていることを信じている」と、さらなる優勝に向けて意気込んでいた。

昨シーズンのリーグ制覇に大きく貢献したウィギンズとプール[写真]=Getty Images

　もっとも、昨シーズン開幕前の時点で、ウォリアーズは2シーズン連続でプレーオフ進出を逃していた。そこからシーズン途中でビッグ3が約2年半ぶりに共演したものの、もしこのチームが優勝していなければ、あるいはプールが主力として、ウィギンズがオールスターへ台頭して攻防両面でチームへ機能していなければ、今回の延長契約には至らなかったかもしれない。

「我々は毎年、選手たちのことを見ていかないといけない。もし1年前に、我々がプールとウィギンズへ（大金を）支払うことになるだろうと聞かれたら、信じなかったかもしれない」とマイヤーズGMは話していた。

　とはいえ、両選手と延長契約を結んだことで、ウォリアーズが今後数年にわたって現有戦力をキープできるわけではない。カリーこそ2025－26シーズンまで契約下にいるものの、トンプソンは2023－24シーズン終了後に契約満了、グリーンは来シーズンの契約がプレーヤーオプションとなっているため、これを破棄すれば制限なしフリーエージェント（FA）になる。

　今月に入って、プールを殴打したことでウォリアーズから離脱したグリーンは、先週になってチームへ再合流しており、出場停止処分こそなかったものの、チームから罰金を科されており、延長契約の可能性は限りなく低くなったと言わざるをえない。

「彼は我々のチームにいる。私たちは彼がこのチームの勝利を助けることができると見ている。彼にはやらなければならないことがいくつかあるが、我々は彼ならやってくれるという自信がある」とマイヤーズGMは語る。

　高額な延長契約を締結したことで、プールとウィギンズのモチベーションが上がることは間違いないのだが、その一方でグリーンがモチベーションを落としてメンタル面で悪影響が出ないかは懸念事項となる。

　まずは19日に行なわれるロサンゼルス・レイカーズとのレギュラーシーズン開幕戦で、どんなパフォーマンスを見せてくれるのかを楽しみに待ちたいところだ。