2022.11.21

渡邊雄太はネッツの“秘密兵器”! 米メディアも絶賛「NBAで最も効率的な選手」

渡邊はネッツでセンセーショナルな活躍を続けている[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 渡邊雄太(ブルックリン・ネッツ)のセンセーショナルな活躍は、球団にとってこれ以上にないサプライズとなっている。

 同選手はデビューからの2年間、メンフィス・グリズリーズとGリーグを往来した後、トロント・ラプターズへ。そして、育成に定評のあるラプターズで計88試合プレーし、3&Dとして可能性を見出したものの、結局ロスターに定着できなかった。

 今夏ネッツはサイズがあり、複数のポジションをこなせるプレーヤーを探していたが、そこでスポットライトが当たったのが渡邊だった。渡邊は4シーズンで3ポイントシュート成功率35.2パーセントを記録していたが、今シーズンはここまで57.1パーセントと飛躍的に確率を上げた。

 これは有効なフィールドゴール成功率76.7パーセントとあわせて、リーグ1位の成績。ジョー・ハリスセス・カリーに期待通りのパフォーマンスを望めないなか、渡邊は予想を上回るプレーで貢献している。

 米メディア『ClutchPoints』は、渡邊を「ブルックリンのアクティブプレーヤーで最も信頼できるペリメーターディフェンダー」と称し、持ち前のハッスルとリバウンド能力を高く評価。そして同選手を単独でピックアップし、魅力を全米に発信した。

タイムリーな3ポイントシュートとプレーメーキング

 渡邊にこれだけの注目が集まっているのは、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)をはじめとするリーグのトップシューターをも凌ぐ3ポイントシュート成功率だろう。

 オープンスペースを見つけては、ケビン・デュラントからアシストを受けることもしばしば。ジャック・ボーンヘッドコーチもその連係をチームの信頼の象徴とし、今では「キックアウトの先にはユウタがいる」というイメージが定着している。

 また、アンセルフィッシュなプレースタイルもチームに流動性をもたらしている。ボールを保持しすぎることもなければ、献身的にスクリーンをかける。同選手は「ボールハンドリングはあまり得意ではない」と謙遜するも、状況に応じてリバウンドからのプッシュもいとわない。

3ポイントシュート成功率はリーグ1位の57.1パーセントを記録している[写真]=Getty Images

第4クォーターでの活躍

 誇るべきは、クロージングラインアップに渡邊の姿があることだ。試合残り5分でコートに立つことは、まさに信頼の証。ヒリヒリとするクラッチタイムでも高確率で3ポイントシュートを沈め、11月21日(現地時間20日、日付は以下同)の古巣グリズリーズとの対戦では第4クォーターに4連続で成功してみせた。

 また、相手エースと闘志みなぎるマッチアップを披露するシーンも、日に日に見慣れた光景となってきた。

 同メディアは、渡邊のバスケットIQや戦術理解度の高さ、そして技術的に優れたディフェンスを絶賛。リーチの長さと素早い反応を駆使したファウルを犯すことのないクリーンなディフェンスも、第4クォーターのハイライトとなっている。

リバウンド

 ゴール近辺でのハッスルもチームにエナジーをもたらしている。18日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦では、ユスフ・ヌルキッチの上からオフェンスリバウンドをもぎ取る一幕があった。

 渡邊のエナジーは、ベン・シモンズの不調やカイリー・アービング不在を払拭し、ネッツに活力をもたらした。同メディアはオフェンス、ディフェンス双方で高評価しており、「スターター選出を考慮されても不思議ではない」と太鼓判を押す。

 ネッツにとって、渡邊は最高のスティールだ。保証契約が提示されるまで、そう時間は要さないだろう。

 文=Meiji

渡邊は持ち前のハッスルでリバウンドやルーズボールへ積極的に飛び込む[写真]=Getty Images

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