2022.11.24

古巣フィリーで大ブーイングを浴びながら戦い抜いたシモンズ「前へ進めたと思う」

フィリー凱旋を終えたシモンズ[写真]=Getty Images
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「もっと騒がしくなると思っていた」とシモンズ
同様の経験を持つデュラントとカイリーがフォロー

 11月23日(現地時間22日、日付は以下同)。ブルックリン・ネッツは敵地ウェルズファーゴ・センターへ乗り込み、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦に臨むも106-115で敗れた。

 ネッツに所属するベン・シモンズにとって、シクサーズは2016年のドラフトで全体1位指名してくれたチームで、昨シーズン途中にトレードで移籍するまで、約5シーズン半(実働4シーズン)も在籍した球団。

 ただ、2021年のプレーオフで敗退後、チームとの関係が悪化したことで、昨シーズンはトレーニングキャンプにも参加せず、結局1試合もコートに立つことなく全休。ネッツ移籍後も背中のケガもあって1試合もコートに立つことはなかった。

 かつての新人王で、208センチの超大型ポイントガードに対し、フィラデルフィアのファンは今年3月11日の凱旋試合でプレーしなかったとはいえ、会場ではブーイングが鳴り響き、この試合でもボールを持つたびにブーイングを浴びせていた。

 それでも、シモンズは32分23秒の出場で11得点7リバウンド11アシスト3スティール3ブロックをマーク。ディフェンスでもスティールしてルーズボールダイブからケビン・デュラントのダンクを演出するなど奮戦。

「今はいい状態にある気がしている。自分が大好きなことができてハッピーさ。だからコートへ出てこんな経験ができるなんて最高さ。確かに、僕らが望んでいた結果にはならなかった。こういう試合で負けたからがっかりしているけど、僕は前へ進めたと思う」

 試合後にそう語ったシモンズは、「もっと騒がしくなると思っていた」と明かし、フィラデルフィアの試合では「これからもずっと」同じようなブーイングを浴びるかもしれないとも話していた。

シモンズは翌24日のラプターズ戦にも出場して勝利に貢献[写真]=Getty Images

 そんなシモンズについて、この試合で23得点を残したカイリー・アービングは「乗り越えなきゃいけないメンタル面のハードルだと思う」と切り出し、「前の試合で、彼はすごくいいプレーをしていた。今夜だっていいプレーをしていたと思う。僕らはお互いのためにコートへ立ち、それぞれをサポートしていかなきゃいけないんだ」と続けていた。

 カイリーはこれまで、クリーブランド・キャバリアーズからトレードでボストン・セルティックス、その後ネッツへ移籍しており、デュラントはオクラホマシティ・サンダーからフリーエージェント(FA)でゴールデンステイト・ウォリアーズへ移籍した過去があり、サンダーとのアウェーゲームで似たような経験があった。

「いろんな感情があふれてくるんだ。だからいいプレーをしたいものさ。ファンが絡んで、エキサイトしてくることは分かっているよ。エキサイトしていなくても、彼らはベストを尽くそうとするんだ」(デュラント)

 ネッツが誇るデュラント、カイリー、シモンズというビッグ3はいずれもスターであり、移籍を経験したこともあってブーイングを浴びせられてきたことがある。

 デュラントは「でもそれはすべての敵地であるんだ。みんながこのチームがしくじるのを見たがっている。ベンも、カイも、俺のことも好きじゃないんだ。敵地ではそうなってしまうのさ」と語り、シクサーズ戦をこう振り返っていた。

「俺たちが対処しなきゃいけないことなんだ。でも俺は(シモンズが)うまく対応して、彼のゲームをしていたと思った。それに俺たちには勝つチャンスが何度もあった。けど勝てなかっただけ」

 ネッツは翌24日にトロント・ラプターズとのアウェーゲームに臨み、渡邊雄太は古巣との一戦をケガのため欠場したものの、チームは112-98で勝利。カイリーがゲームハイの29得点、シモンズが14得点6アシスト3スティール2ブロック、デュラントが12得点7リバウンド5アシスト3ブロックを記録。

 シクサーズ戦の敗戦から見事挽回して勝利を飾ったネッツ。次戦は26日に敵地で行われるインディアナ・ペイサーズ戦となる。

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