2023.01.04

サラリー保証契約切り替えまで1週間の渡邊雄太…ネッツHCも絶賛「全幅の信頼を置いている」

今シーズン数多くのハイライトシーンを生み出してきた渡邊[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 渡邊雄太とブルックリン・ネッツの契約がアップデートされる日が目前に迫っている。

 ジョージ・ワシントン大学出身の3&Dは今シーズン、キャンプ契約からネッツのロスターを勝ち取り、これまで無保証契約でチームに在籍してきた。以降、アグレッシブなディフェンスでチームに居場所を見つけると、今シーズンは3ポイント成功率が飛躍。高確率なアウトサイドを受けて“YUTA THE SHOOTA”のニックネームを与えられた渡邊は、再びリーグの試投規定数に到達し、2023年に入って早々、3ポイント成功率のNBAリーダーに返り咲いた。

 渡邊のハイライトには「なぜ彼が無保証契約なんだ?」「Yutaをキープするべき」などのコメントも散見され、ファンからの愛情も厚い。しかし、1月11日(現地時間10日)までロスターに残ると、渡邊の契約は無保証からサラリー保証の契約へと切り替わることになる。

 ネッツのヘッドコーチを務めるジャック・ボーンも、渡邊の成長には感銘を受けている様子。ケビン・デュラントカイリー・アービングの二枚看板と役割は違えど、コーチは「彼はあらゆることを少しずつやってのけている」とし、背番号18を頼りにしている。

「選手たちが彼にボールを回し、彼がショットを決める。我々はこれに全幅の信頼を置いています。ペイント内に侵入しているときでも、(3ポイントラインの外に)戻ってきてショットを試みる場合でも、彼にはボールが回ってくるのです」

「バスケットボールの周囲で良いポジションを取り、リムへの素晴らしいドライブもあって、アグレッシブでした。彼は選手として成長しています。いつコートに入り、誰とプレーするかを理解するようになり、より快適になったのでしょう。だから、私も彼を手助けしたいと思っています」

現在は3ポイント以外でのフィニッシュも模索している段階[写真]=Getty Images


 渡邊は今シーズン、左コーナーから71.4パーセント、右コーナーから57.9パーセントの確率で3ポイントを沈めている。しかし、この驚異の成功率を受けて対戦相手のスカウティングも厳しくなり、ここ数試合はディフェンスの警戒心も強まっている印象だ。

 それは本人も身をもって体感しているようで、現在は次のフェーズへ進む段階にあると語る。

「対戦相手は明らかに僕から3ポイントを奪おうとしているので、僕もほかの手段でフィニッシュする方法を見つけ始めなければならないですし、ドライブからのフィニッシュでは成長が見受けられると思います。これを続けていかなければいけません。ディフェンダーは僕が何をしようとしているか、わからなくなると思います。今後も3ポイントを打ち続けますし、あらゆることに努めていくつもりです。いずれにせよ、僕がリム周辺でフィニッシュできているのは良いことですね」

 破竹の12連勝でイースタン・カンファレンス2位まで順位を押し上げたネッツは、1月5日(同4日)からアウェーでの3連戦が待ち構えている。ロードでも連勝街道を突っ走るためには、覚醒中の渡邊のハッスルとアウトサイドが不可欠だ。

 そして、ボストン・セルティックス戦で再び『バークレイズ・センター』に戻ってきた日には、新契約を勝ち取った渡邊をコートで見ることができるに違いない。

[写真]=Getty Images


文=Meiji

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