2023.01.13

歴代最多得点更新を目前に控えたレブロンが挙げた、自身の記録を抜く可能性を秘めた選手とは?

38歳になった現在でも激しいマークを打ち破って得点を続けるレブロン [写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)のキャリア総得点数は、まもなく3万8000得点に到達しようとしており、歴代記録を所有するカリーム・アブドゥル・ジャバー(元レイカーズほか)の3万8387得点を射程圏内に捉えた。

 レブロンが今なおキングの愛称で畏怖される理由のひとつに、選手としての衰えが全く見受けられないことが挙げられる。ジャバーは現在のレブロンと同じ38歳の頃、1試合平均23.4得点6.1リバウンド3.5アシストをマークしていた。しかし、4度のNBAチャンピオンは今季、29.1得点8.2リバウンド6.7アシストのモンスタースタッツを記録。度々比較対象に挙がるマイケル・ジョーダンが22.9得点5.7リバウンド5.2アシストであったことを踏まえると、レブロンの選手生命に終わりはあるのだろうかとさえ思えてしまう。

 ジャバーがそうであるように、記録とはいつか塗り替えられるためにある。晴れてレブロンが歴代最多得点者として君臨した暁には、今度はレブロンが頂に立ち、登頂する者を待ち受けることになるだろう。

 少し気が早いかもしれないが、『ESPN』のデイブ・マクメナミンはレブロンへのインタビューで、彼が達成するであろう新たな得点記録を塗り替える可能性を秘めた後輩プレーヤーの存在について質問。すると、プロ20年目を迎えたレイカーズの背番号6は、現役選手の中から複数のプレーヤーをピックアップした。

「最初に思い浮かぶ名前は、KD(ケビン・デュラント/ブルックリン・ネッツ)だ。彼は理由もなく“Easy Money(=優れたスリーポイントシューター)”や、“Slim Reape(スリムな死神)”とは呼ばれていない。彼はそれを難なくやってのけてしまう。スリーポイントを沈め、ミッドレンジから得点し、ペイント内にも到達することに加えて、フリースローは85〜90パーセントの成功率を誇る。これらは重要な要素であり、コートで最も大切なことだ」

レブロンが最初に名前を挙げたのがデュラント [写真]=Getty Images


「俺たちのリーグには素晴らしいスコアラーが数多く存在し、KDもその1人。カイリー(・アービング/ネッツ)もそうだ。ルカ(・ドンチッチ/ダラス・マーベリックス)はまだ若く、(ジョエル・)エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)や、ヤニス(・アデトクンボ/ミルウォーキー・バックス)も忘れてはいけない」

「だが、ちょっとした運も必要なんだ。スポーツ面だけではなく、人生全般で健康であるべきなのは皆が理解している。コートに立ち、健康な人生を送るには、本当に運も大切だと思う」

 デュラントが歴代最高のスコアラーの1人であることに異論を唱える者はいないだろう。NBAの長い歴史を振り返っても、KDに匹敵するほどエリア不問かつ高確率なスコアリング能力を持ち合わせたプレーヤーは見当たらない。しかし、彼は現在34歳で15シーズン目に突入しているほか、近年のケガの歴史を考慮すると、レブロンにはわずかに及ばないと見る。

 最も現実的なプレーヤーは、ダラス・マーベリックスの若きエースかもしれない。ドンチッチはキャリア5年目にしてすでに数々の新記録を樹立しており、そのプレースタイルはキャリア晩年でも通用するもの。しかし、ドンチッチも短期的なケガが目立ち、レギュラーシーズンで75試合以上をプレーした年はない。また、プレーオフで勝ち進むことも不可欠で、チームを勝利に導くリーダーシップもまだ改善の余地がある。

驚異的なペースで得点を挙げているドンチッチ [写真]=Getty Images


 一方、レブロンはレギュラーシーズン第12週に自身66度目の週間最優秀選手に選ばれ、未だトップコンディションを維持。レブロンが賞賛するデュラントも「最も偉大な選手の、最も偉大な記録を更新する日がやってくる。そこから彼の時代が始まるんだ」と、その日を待ち望んでいる様子だ。

 キャリアを左右する大きなケガがない限り、記録更新は確実。果たして、レブロンの作るレコードは、引退までにどれだけ伸び続けるのだろうか。

文=Meiji

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