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オリンピックは東京からのバトンを受け、2024年にパリでの開催を迎える。
NBAの本場から精鋭たちを集めた男子アメリカ代表は、東京オリンピック前の強化試合でまさかの連敗を喫し、一度は本戦に向けて暗雲が立ち込めた。しかし、蓋を開けてみれば、ケビン・デュラントを筆頭にリーグ屈指のスコアラーたちが維持を見せ、大会4連覇を達成。1950〜60年代にかけて達成された5連覇に並ぶべく、華の都には全勢力で乗り込むことだろう。
東京五輪で唯一悔やまれたのは、ステフィン・カリーの姿がなかったことだ。史上最高のシューターは当初、アメリカ代表の一員として日本に来日する予定だった。しかし、左手の骨折によって長期離脱を余儀なくされ、リーグ開幕に向けてコンディション調整を優先するべく、参加を断念。当時「この決断にはすごく自信を持っているし、後悔はしていない」とコメントしつつも「難しい決断だった」とも述べ、悔しさを滲ませた。
カリーもすでにベテランの域に突入し、キャリアも終盤に差し掛かっており、パリオリンピックが開催される1年半後には36歳を迎えている。しかし、オリンピックでプレーする情熱は、未だ失われていないようだ。
長年NBAを追いかけてきたマーク・スタイン記者との会話の中で、カリーはオリンピックへの想いを口にした。
「オリンピックに参加する機会に何よりも期待を抱いている。スティーブ・カーが代表を率いるのは知っているし、僕は2度、世界選手権でチャンピオンになったチームでプレーしたけど、両大会を経験した人は口をそろえて『オリンピックは違う』と言うんだ。雰囲気、空気、盛り上がり、アドレナリンなど、どれをとっても全く異なるってね」
「この先何が起こるかわからないから、チャンスがあるかもわからない。でも、いつか絶対に経験したいと思っているよ」
カリーは2010年と2014年の「FIBA バスケットボール ワールドカップ」で金メダル獲得に貢献する一方で、オリンピックには滅法縁がなかった。2012年のロンドン大会には選出されず、2016年のリオデジャネイロ大会では膝と足首のケガで出場を辞退している。
カリーが言及しているように、新体制のアメリカ代表はウォリアーズのカーHCが指揮を取っている。コーチ陣にはゴンザガ大学のマーク・ヒューHC、マイアミ・ヒートのエリック・スポールストラHC、フェニックス・サンズのモンティ・ウィリアムズHCという豪華メンバーが名を連ね、パリ五輪前の今年8月にはフィリピン・日本・インドネシアで開催される「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」への参加が決定している。
カリーも初のオリンピックが恩師の下であれば、最高のパフォーマンスが発揮できることだろう。そして、世界中のバスケットボールファンは、カリーが再び国際大会に登場する機会を心待ちにしている。
もちろん、目指すは優勝の2文字。キャリア最後の“やり残し”を片付けるべく、再びチームUSAのジャージに袖を通したカリーが拝める日は近いかもしれない。
2014年ワールドカップで優勝を果たしたカリー[写真]=Getty Images