2023.02.17

球団史上初優勝を狙うサンズへ加入したデュラント「俺たちは何が必要か分かっている」

サンズの入団会見に臨んだデュラント[写真]=Getty Images
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「選手として成長し続けていくうえで、ここが最高の場所になるだろうと俺には分かっていた」

 2月17日(現地時間16日、日付は以下同)。フェニックス・サンズが、10日に正式合意となった4チーム間のトレードで獲得したケビン・デュラントの入団会見を開いた。

 この会見では、先日サンズの新オーナーとなったマット・イシュビア、バスケットボール運営部代表兼ゼネラルマネージャー(GM)のジェームズ・ジョーンズも同席し、背番号35のユニフォームを手にしたデュラントと写真撮影にも応じていた。

 2019年夏にゴールデンステイト・ウォリアーズからブルックリン・ネッツへ移籍したデュラントは、アキレス腱断裂のため2019-20シーズンを全休。翌2020-21シーズンからコートへ復帰した男は、今シーズン途中までネッツで約3シーズンをプレーし、レギュラーシーズン129試合の出場で平均29.0得点7.1リバウンド5.8アシスト1.2ブロックにフィールドゴール成功率53.5パーセントを記録。

 カイリー・アービング(現ダラス・マーベリックス)、ジェームズ・ハーデン(現フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)とのビッグ3体制で臨んだ2021年のプレーオフではカンファレンス・セミファイナル第7戦で敗戦。昨年のプレーオフではファーストラウンドでスウィープ(4戦全敗)敗退を喫してしまった。

「俺たちは十分にコートへ立てなかったということ。彼らは(引退後に)殿堂入りする選手たちであり、俺は毎日彼らから学んだ。彼らが幸運であることを祈っているよ。俺たちはうまくいかなかっただけさ」

 ネッツで形成したビッグ3についてそう振り返ったデュラントは、昨夏にネッツへトレード要求と報じられるも、その後チームと和解して今シーズンに臨んだ。

 今年1月上旬に右ヒザの内側側副靱帯を負傷して戦線離脱するまで、デュラントは39試合に出場して平均29.7得点6.7リバウンド5.3アシスト1.5ブロックという好成績を残し、チームもイースタン・カンファレンス上位にいたのだが、今月上旬のカイリーによるトレード要求で「俺たちのアイデンティティは離れていった」とし、最終的にサンズへのトレードをプッシュしたことでシーズン途中の移籍となった。

 34歳のスーパースコアラーが加入したサンズは、2020-21シーズンにNBAファイナル進出、昨シーズンはリーグベストかつフランチャイズ史上最高となる64勝18敗を残したチームで、当時から主軸を務めるデビン・ブッカークリス・ポールディアンドレ・エイトンといった選手たちがいる。

 そして現役時代に3度の優勝を飾ったジョーンズGM、昨シーズンに最優秀コーチ賞に選ばれたモンティ・ウィリアムズHC(ヘッドコーチ)がこのチームをまとめており、デュラントは「俺たちには成功するためのピースがすべてそろっていると思う」と自信を見せていた。

「ファイナルラウンドでプレーするために必要な経験を持つ選手たちがいる。それにチャンピオン(ジョーンズGM)が俺たちを統括していて、モンティはコーチとしてチャンピオンだ。だから俺たちは(優勝するために)何が必要なのか分かっている」

左からイシュビア オーナー、デュラント、ジョーンズGM[写真]=Getty Images

 ジョーンズGM、ウィリアムズHC就任、さらにはベテラン司令塔ポール加入によって、サンズはリーグ下位に低迷するチームからリーグ上位、そして優勝候補へと浮上。このチームの成長を目の当たりにしてきたデュラントは「それからというもの、俺はいつもフェニックスでプレーするのが大好きだったんだ」と、好印象を抱いていた。

 デュラントはこれまでのキャリアのなかで2度の優勝とファイナルMVP、2度のオールスターMVP、シーズンMVPにも1度輝いており、すでに引退後の殿堂入りが確実なのだが、バスケットボールをこよなく愛し、選手として日々うまくなることを望む男にとって、サンズ移籍は理想のシナリオだったと言えるだろう。

「選手として成長し続けていくうえで、ここが最高の場所になるだろうと俺には分かっていた。デビンやクリス・ポールディアンドレ・エイトンといった選手たちとやっていくこと。俺はその一部になりたかった。だからここにいることができ、楽しみにしている」とデュラントは話していた。

 17日のロサンゼルス・クリッパーズ戦を落としたことで、サンズはウェスタン・カンファレンス5位の32勝28敗でオールスターブレイクを迎えた。

 24日から幕を開けるレギュラーシーズン後半戦のどこかで復帰が期待されているデュラントが、新たなチームメートたちとケミストリーを構築し、サンズを球団史上初のNBAチャンピオンへ輝く超強力な武器となることができるのか。まずはサンズデビューを楽しみに待ちたいところだ。

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