2023.03.05

今季もMVP級の活躍でシクサーズをけん引するエンビード「俺がコントロールできるのは…」

リーグ最高級のビッグマンとして君臨するエンビード[写真]=Getty Images
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イースト首位バックスとの激戦に自らのクラッチショットで終止符

 3月5日(現地時間4日、日付は以下同)。フィラデルフィア・セブンティシクサーズは敵地ファイサーブ・フォーラムで16連勝中のミルウォーキー・バックスとの一戦へ臨んだ。

 シクサーズはトバイアス・ハリスが左ふくらはぎの痛みで後半を欠場、PJ・タッカーも背中のけいれんのため第4クォーターを欠場と、2人のスターターを途中から欠き、第3クォーター途中には18点ものビハインドを背負う苦しい展開に。

 だがシクサーズはなんとか追い上げてバックスへ食らいつき、試合時間残り1分21秒にジェームズ・ハーデンのディープスリーで1点差に詰め寄ると、ヤニス・アデトクンボのショットミスを挟んでジョエル・エンビードが逆転となった3ポイントシュートを放り込み、最終スコア133-130で見事な勝利を飾った。

 特にハーデンは14点ビハインドで迎えた第4クォーターに両チームトップの19得点4アシストと大暴れ。1つのクォーターで記録した得点としては、ヒューストン・ロケッツ在籍時の2020年12月29日以来の高得点だった。

「俺はプレーメーキングかスコアリングするかという状況ですごく快適なんだ。長いことやってきた。バスケットボールをプレーしていただけ」とハーデン。

 この試合ではハーデンがゲームハイの38得点に9リバウンド10アシスト、エンビードが31得点6リバウンド10アシストと2枚看板が大暴れ。両選手はチーム全体で記録した133得点のうち、実に105得点を占めるという驚異的なパフォーマンスだったと言っていい。

 シクサーズでは両輪のほか、タイリース・マクシーが26得点、ジョージ・ニアンが16得点をマークし、今シーズンの戦績をイースタン・カンファレンス3位の41勝22敗とした。

 もっとも、ディフェンスでアデトクンボのショットミスやターンオーバーを誘発させたエンビードは「いいゲームじゃなかった」と口にし、「今夜の俺はもっと良くできたと思う。普段なら決めているショットをたくさん落としてしまった」と振り返っていた。

 エンビードはフィールドゴール成功率50.0パーセント(11/22)、3ポイントシュート成功率60.0パーセント(3/5)を残すも、フリースローは10投中4本を落としてしまい、成功率60.0パーセントと不発。

 それでも、残り42.0秒に決めた逆転の3ポイントシュートは「俺が決めなきゃいけなかった。あそこで1点負けていたから。俺がやらなきゃいけなかったのさ」と逆転勝利を喜んでいた。

ハーデン(左)とエンビード(右)はリーグ屈指のデュオ[写真]=Getty Images

 ここ2シーズン、エンビードはMVP投票でニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)に次いでいずれも2位のポイントを獲得しており、MVPの有力候補として活躍を続けている。

 だが2日に『FOX Sports』へ公開された記事のなかで、シクサーズの大黒柱は「俺がコントロールできるのは、チャンピオンシップを勝ち取るために努力していくこと。それがリスペクトされることになる唯一の方法だという気がしている。だから、今の俺はそのことにフォーカスしているんだ」と話していた。

 今シーズンも、チームはイースト上位におり、エンビードもリーグ屈指の好成績を残しているため、依然として有力なMVP候補の一角なのだが、エンビードが欲しているのは王座のみ。

 そんなエンビードにとって、この日はバックスの連勝を16でストップさせ、自身のクラッチショットで勝利を奪った価値ある1勝だったに違いない。

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