2023.03.22

処分続きの悪童ディロン・ブルックスの罰金総額は3000万円超…本人は意に介さず「ただの紙切れ」

今シーズン、度重なる出場停止処分と罰金を課されているブルックス[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 メンフィス・グリズリーズのディロン・ブルックスは、不名誉ながらも“ダーティープレイヤー”としてその地位を確固たるものとしている。そして『Fadeaway World』の報道によると、ブルックスは今季、出場停止処分と罰金で総額24万8242ドル(約3300万円)を失っているという。

 ブルックスの悪事を挙げるのであれば、枚挙にいとまがない。ゴールデンステイト・ウォリアーズとのゲームでは度々、クレイ・トンプソンドレイモンド・グリーンと舌戦を繰り広げ、勝利後には「この試合は簡単だった」と発言し、4つのチャンピオンリングを持つスターを相手にコート外でもトラッシュトークを止めなかった。

 また、ダラス・マーベリックス戦では、相手ベンチを挑発して今季18回目のテクニカルファウルをコールされ、2度目の出場停止処分。こうした敬意に欠く行為が原因かは定かでないが、試合後にカイリー・アービングと健闘を讃えた際には、ブルックスがアービングのジャージを受け取るのみで、アービングはブルックスのジャージを受け取らなかった。

 極めつきは、マイアミ・ヒート戦での出来事だろう。ルーズボールを追いかけたブルックスは、コートサイドにいたカメラマンと衝突。そして、グリズリーズの背番号24は謝るどころかカメラマンを突き飛ばし、この目を疑う行為によってアンスポーツマンライク・ファウルを言い渡されると同時に、3万5000ドル(460万円)の罰金処分が課せられている。

 加えて、16回目以降のテクニカルファウルには1回につき5000ドル(約70万円)の罰金が発生するほか、テクニカルファウルによって出場停止となる2試合は無給扱い。1140万円(約15億円)の年俸契約を締結するブルックスにとって、1試合の出場停止は金銭的にも大きな痛手となるのだ。

 しかし、当の本人に上記の過去を反省する姿勢は見られない。出場停止と罰金について問われたブルックスは、以下のように返答している。

「ただの紙切れだ。メディアが俺に悪役を与えてくれたから、俺はそれを利用し、必要なことをやっているだけだ」

 それでもグリズリーズのヘッドコーチ、テイラー・ジェンキンスは悪童の可能性に期待を寄せている。

「映像を見返し、彼と対峙した際のフィールドゴール成功率や得点など相手の平均スタッツを見ると、この男はディフェンスに集中し、チームでその部門のリーダーになりたいと思っている。数字も、映像も嘘をつかない。彼がオールディフェンシブ・プレーヤーになるのは間違いないだろう」

 今季はスタッツこそ落としているものの、素質は確か。有り余るパッションを正しく放出できれば、ブルックスは選手としてもう一皮剥けるかもしれない。

文=Meiji

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