2023.04.24

八村塁がグリズリーズの荒々しいスタイルを警戒「ダーティプレーを仕掛けてくる」

プレーオフで活躍を続ける八村が警戒する点とは?[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 NBAプレーオフは、ファーストラウンドから熾烈なゲームが繰り広げられている。その中でもロサンゼルス・レイカーズとメンフィス・グリズリーズのシリーズは、コート外でのトラッシュトークも含めて、盛り上がりを見せている。

 プレーオフで好調をキープしている八村塁も渦中の1人だ。Game1で29得点を記録し、勝利の立役者となったブラックサムライは、その活躍ぶりから闘志漲るグリズリーズの選手の標的となり、デズモンド・ベインからは試合後に「今日が彼のキャリアベストだ。次も同じことができるか見てみよう」と挑発を受けていた。

 しかし、八村はこうしたノイズにも冷静に対処している。レブロン・ジェームズを「年寄り」と罵るなど、口撃の手を緩めないグリズリーズ。だが、レイカーズの背番号28はプレスカンファレンスでも声を荒げることなく、淡々と返答している。

「あれ(トラッシュトーク)が彼らのできるすべてなのでしょう。若いチームですからね。何かと言いたいだけだと思います。僕らはまったく気にしていません。僕ららしくプレーして、勝利することだけに集中しています」

 八村は野次に気を取られることなく、シリーズ初戦以降も印象的なスタッツを残している。直近のGame3では22分の出場時間で16得点、5リバウンドをマークし、3ポイントとフリースローはともに成功率100パーセントを記録した。

 しかし『クリプト・ドットコム・アリーナ』では、珍しく八村もヒートアップする姿を見せた。速攻時にジョン・コンチャール、デイビッド・ロディーから立て続けにプッシングされた八村は後者に言い寄ると、審判から引き離され、テクニカルファウルをコールされている。

 カメラマンや観客との衝突も紙一重で、一歩間違えればケガにもつながりかねないプレー。八村は試合後、勝利について満足感を口にしながらも、グリズリーズの手荒さに警戒を示している。

「今夜の僕たちはプレーする準備ができていたと感じます。Game2では彼らのホームで悔しい敗戦を喫しましたが、昨日は良い練習ができて、とても集中していました。スタートから僕らが何者であるかを彼らに示したいと思っていましたし、それが実現できたので、満足しています」

「もちろん、彼らがとてもフィジカルにアプローチをしてくることはわかっていました。ですが、彼らは時々ダーティープレーを仕掛けてくるので、それには気をつけなければいけません」

 言うまでもなく、勝利が絶対条件のプレーオフにおいてはハードな接触が必然と増えてくる。ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボやマイアミ・ヒートのタイラー・ヒーローはすでに負傷で戦線離脱を強いられており、主力の欠場は結果に大きな影響を及ぼすことになる。

 勝ち進めるためにはケガへ対するリスクマネージメントもプロの仕事。レイカーズはロスターを欠くことなく、ネクストラウンドへ駒を進めることができるだろうか。

文=Meiji

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