2023.05.15

ジャ・モラントがSNSで再び銃をひけらかす…グリズリーズは球団の全活動停止処分を下す

Instagramのライブ配信で拳銃を手にする様子が捉えられたモラント [写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 ジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)の反省の弁は、その場を取り繕うための上辺だけのものだったのかもしれない。若きオールスターは5月14日(現地時間13日)、Instagramで再び拳銃を手にする様子がライブ配信され、グリズリーズから球団に関連するすべての活動禁止処分が言い渡された。

 モラントの銃問題は、わずか3カ月足らずで2度目のことだ。グリズリーズの背番号12は3月、デンバー・ナゲッツとの一戦でコロラド州に遠征中、バーで拳銃を見せびらかす様子をインスタグラムで配信。証拠が見つからなかったため、刑事告訴こそ行われなかったものの、NBAは選手としての規範を逸脱したとして8試合の出場停止処分を下し、モラントは66万9000ドル(約9100万円)のサラリーを失った。

 現地時間の土曜日にオンライン上で公開された映像により、モラントがどのような制裁を受けるかは不明だ。NBAの代表取締役副社にしてコミュニケーション部門の責任者を務めるマイク・バス氏は、本件について以下の声明を発表した。

「我々はジャ・モラントに関連するソーシャルメディアへの投稿を認識しており、さらなる情報を収集中です」

“初犯”当時のモラントは謹慎中、『ESPN』に対して「僕はいかなる暴力も容認していない。自分の行動に全責任を負う。ミスを犯し、イメージにも泥を塗った。今後はジャの本当の姿を示し、この物語を変えていくつもりだ」と語っていた。

 また、処分期間に面談したNBAコミッショナーのアダム・シルバー氏は、モラントの行動を「無責任で無謀、非常に危険な潜在的リスクがあった」と批判しながらも、改心する姿勢を見せてくれたことを明らかにした。

「彼は自分の行動に対して心から悔い改め、後悔の念を表明しました。また、ジャはこの出来事から学び、私に対してグリズリーズとNBAのコミュニティに対する義務と責任が、コート上でのプレーをはるかに超えたものであることを理解している旨を伝えてくれました」

 カウンセリングの受講、タイラー・ジェイキンスヘッドコーチからのメッセージ、そして汚名を挽回するためのモラント本人からの来シーズンへ向けた意思表明。NBA関係者やファンが期待を抱くなか、それらを裏切る行いは毛頭許されるべきものではない。

『AP通信』の調べによると、今回の映像は彼の仲間とされるダボンテ・パック氏のアカウントから配信されたという。パック氏は、モラントが少年に暴行した現場にも同席していたことが確認されているほか、グリズリーズの本拠地で行われたインディアナ・ペイサーズ戦を観戦中、コートサイドでペイサーズのアンドリュー・ネムハードと口論になり、フェデックス・フォーラムから1年間の追放処分が下されている問題人物。余談だが、モラントはこの事件のあと「俺や友人に否定的なイメージを植えつけた。信じられない」とパック氏を庇い、決定を厳しく批判した。

『Sports Illustrated』でシニアライターを務めるクリス・マニックス氏の取材によると、再び拳銃をひけらかしたモラントへ対する処分は20試合以上が予想されるが、シーズンの半分を超えるようなものにはならないとした。

 はたして、NBAとグリズリーズはモラントに対してどのような処罰を言い渡すのか。いずれにせよ、前回以上の厳罰は避けられないだろう。

文=Meiji

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