2023.05.29

デリック・ホワイトをセルティックスのフロントが絶賛「みんなのことを高めてくれる」

セルティックス加入後、貴重な働きを見せているホワイト[写真]=Getty Images
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セルティックスで攻防両面において見事にフィットするホワイト 
「本当に一生懸命プレーするし、とても賢いんだ」

 5月28日(現地時間27日、日付は以下同)に敵地カセヤ・センターで行われた「NBAプレーオフ2023」のイースタン・カンファレンス・ファイナル第6戦。

 負ければシーズン終了という苦しい状況のなか、セルティックスは残り3.0秒に迎えた最後のポゼッションでマーカス・スマートが3ポイントシュートをミスし、あと一歩でマイアミ・ヒートに2勝4敗で敗れているところだった。

 だがスローインしたデリック・ホワイトはスマートからのパスを構えるも、長距離砲を放ったことでオフェンシブ・リバウンドへ切り替え、第7戦へと引き延ばす歴史的なティップショットを見事に決めて104-103で劇的な勝利。セルティックスにとって、ホワイトが決めた1本は、シリーズ敗退という危機を救った“ザ・ショット”として今後も永遠に語り継がれていくに違いない。

 試合後に「ボールが僕のところへきた。そのショットを決めただけ」と謙そんしたものの、42分3秒の出場で11得点4リバウンド6アシスト1スティール3ブロックを残し、ジミー・バトラーとのマッチアップでフィールドゴール8本すべてミスに追い込む見事なディフェンスでも貢献。

 翌29日に『ESPN』へ公開された記事のなかで、イースタン・カンファレンスのチームのフロントオフィスで幹部を務める人物は「デリックは……おそらく今もなお、リーグで最も過小評価されている選手だ」と絶賛していた。

 同メディアによると、ホワイトが昨年2月11日にトレードでサンアントニオ・スパーズからセルティックスへ加入後、チームはレギュラーシーズンとプレーオフの合計でここまで102勝49敗(勝率67.5パーセント)という素晴らしい戦績を残しているという。

 この期間における戦績としてはリーグベストで、ホワイトはリーグ最多の150試合でプレーしており、出場時間帯におけるプラスマイナスでは堂々リーグ5位。この男を上回るのはチームメートのジェイソン・テイタムアル・ホーフォード、今年のプレーオフでウェスタン・カンファレンスを制したデンバー・ナゲッツのニコラ・ヨキッチアーロン・ゴードンしかいない。

バトラー(左)とのマッチアップでも奮闘するホワイト(右)[写真]=Getty Images

 昨年のプレーオフでセルティックスのファイナル進出に大きく貢献したホワイトは、今シーズン82試合にフル出場して平均28.3分12.4得点3.6リバウンド3.9アシストに加えてチームトップの76ブロック(平均0.9本はチーム3位)を記録し、自身初のオールディフェンシブセカンドチーム入りも飾った。

 そんな28歳のガードについて、セルティックスのバスケットボール運営部代表兼ゼネラルマネージャー(GM)を務めるブラッド・スティーブンズが「彼はポゼッションで勝つためならどんなことだってやってくれる。本当に一生懸命プレーするし、とても賢いんだ」と語れば、オーナーのウィク・グロウズベックも「彼はみんなのことを高めてくれる。私たちはデリック・ホワイトのことが大好きだ」と絶賛。

 セルティックス在籍2年目となった今年のプレーオフ。ホワイトはヒートとのシリーズでもここまで平均13.7得点2.7リバウンド2.2アシスト1.2スティール1.5ブロックにフィールドゴール成功率53.8パーセント、3ポイントシュート成功率55.3パーセントと、テイタムやジェイレン・ブラウン、スマートといった主軸たちを見事に援護射撃している。

 そして見逃せないのがストッパーとしての貢献。アトランタ・ホークスとのファーストラウンドではトレイ・ヤングと29分47秒マッチアップしてフィールドゴール成功率34.0パーセント(16/47)の計41得点に抑えて5ブロックを浴びせてターンオーバーを7本も誘発。

 フィラデルフィア・セブンティシクサーズとのカンファレンス・セミファイナルではタイリース・マクシーと39分17秒対峙してフィールドゴール成功率37.5パーセント(12/32)の計32得点、イースト決勝でもバトラーと11分35秒対戦してフィールドゴール成功率38.7パーセント(12/31)の計30得点にスローダウンし、計4本のブロックショットを決めている。

 セルティックスとヒートによるNBAファイナル進出をかけた運命のシリーズ第7戦は30日にTDガーデンで開催される。セルティックスで攻防両面で貴重な働きを見せているホワイトは、この試合でもチームを助けるプレーを見せてくれるに違いない。

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