2023.06.06

バトラーがファイナル初戦から第2戦に向けて行った“調整”をトレーナーが明かす

ファイナル第2戦で21得点をマークしたバトラー[写真]=Getty Images
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「彼は短い距離のショットが決まるとすべてが変わってくる。そこで私たちはその練習に取り組んでいたんだ」

 6月5日(現地時間4日、日付は以下同)。マイアミ・ヒートは敵地ボール・アリーナでデンバー・ナゲッツとの「NBAファイナル2023」の第2戦へ臨み、2日の初戦でフィールドゴール10本すべてミスして無得点に終わっていたマックス・ストゥルースが第1クォーターだけで4本の3ポイントシュートを沈めて12得点と、見事に復活を遂げた。

 ところが、3点ビハインドで迎えた第2クォーターでホームのナゲッツがセカンドユニットたちの活躍で逆転に成功。さらにそこから加点し、前半残り5分2秒にこの試合最大となる15点差(50-35)をつけ、会場に集まった大観衆を味方につけた。

 それでも、ヒートは徐々に点差を縮めていき、第3クォーターには同点へ追いつく。ニコラ・ヨキッチの爆発でこのクォーターこそ逆転できなかったものの、最終クォーター序盤にゲイブ・ビンセントの長距離砲でリードを奪うと、ナゲッツの猛攻に遭いながらもリードを死守し、最終スコア111-108で勝利してシリーズ戦績を1勝1敗とした。

 この試合、ヒートではビンセントが23得点3アシスト2スティール、ジミー・バトラーが21得点9アシスト、バム・アデバヨが21得点9リバウンド4アシスト2ブロック、ストゥルースが14得点6アシスト、ダンカン・ロビンソンが10得点、カイル・ラウリーが9得点3アシスト、先発起用されたケビン・ラブが6得点10リバウンド2スティールを記録。

 今年のプレーオフでヒートが見せているタフさとやり返す力について、バトラーはこう話す。

「俺たちのチームでは誰も気にしちゃいないからだと思うね。誰がどう考えているかなんて、俺たちは心配していない。俺たちは自分たちがやるべきことにものすごくフォーカスしていた。ショットを決めようと落とそうと、俺たちはグループとして自分たちのままでいようとしたのさ。それはこのシーズンを通して俺たちがやってきたことであり、これからも変わることはない」

 そのバトラーは、ファイナル初戦でフィールドゴール成功率42.9パーセント(6/14)の計13得点に7リバウンド7アシストで敗戦。フリースローを獲得できず、右サイドから繰り出した3ポイントシュートやミッドレンジジャンパー、右ベースライン付近のジャンパーやフリースローライン付近のショットもことごとく落としていた。

 第2戦を翌日に控えた4日。バトラーの姿はコロラド大学にあった。そこで33歳のベテランは、リム周りにおけるシュートタッチを取り戻すべく練習に励んでいた。バトラーのトレーナーを長年務めるクリス・ブリックリ―は『ESPN』へこう明かしていた。

「彼はただ、そのことを解決しようとしていた。ああいった短い距離のショットが決まるとすべてが変わってくる。そこで私たちはその練習に取り組んでいたんだ」

「彼はボールが(リムへ)吸い込まれていくのを見る必要がある。(試合前には)できていなかったし、(第1戦では)いいプレーができていなかった。彼にとってはそのことが大きかった。メンタル面のことさ」

トレーナーとのワークアウトで修正し、第2戦へ臨んだバトラー[写真]=Getty Images

 そうして迎えた第2戦。バトラーはディフェンスでジャマール・マレーにマッチアップして相手の得点源へ好守を見せただけでなく、右エルボーやリング下からもショットを決めており、なかにはタフショットも執念で決め切るようなシーンも見られた。

 試合全体ではフィールドゴール成功率36.8パーセント(7/19)だったものの、5本獲得したフリースローはノーミスで決め切っており、チームもナゲッツの猛攻を耐えぬいて勝利をモノにしただけに、この勝利は大きな自信になったはず。

 ナゲッツとヒートによるシリーズ第3戦は、8日にヒートのホーム、カセヤ・センターで開催されることとなる。2勝目を挙げてシリーズをリードするのはどちらのチームになるか。引き続き、注目していきたいところだ。

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