ゴンザガ大の“危険なシックスマン”へと成長した八村塁「今は1試合1試合、やるべきことをやっていく」

NCAA2年目の今季、ゴンザガ大の主力へと成長している八村[写真]=Getty Images

 ゴンザガ大学の八村塁が、2年生の今季大きな躍進を見せている。1月21日(現地時間20日)のサンタクララ大学戦を終えたところで9試合連続2ケタ得点。カンファレンスゲームに入ってからの8試合では1試合平均チーム最多の15.3得点。リバウンドはチームで3番目に多い平均5本だ。

 出場は主にベンチからだが、12月22日(同21日)のサンディエゴステイト大学戦や今月19日(同18日)のセントメリーズ大学戦がそうであったように、終盤になって接戦のゲームでも最後まで出場することが増えてきた。

「どんな出場の仕方でも自分のプレーができるというのが僕の目標でもある。これからのことも考えれば、どんな使われ方でもできるようになりたい」と八村。今やゴンザガ大の「危険なシックスマン」的存在となっているのだ。

 昨季は出場時間が限られ、勝敗の行方が決まってからのプレーが主だった。それにも関わらず、今季開幕前から2018年のNBAドラフト候補として名前が挙がり、注目を集めている。

 しかし八村は、「外で言っている人は大きく言いたいものなので。どういう人が言っているかもわからないし、そういうのを信じても仕方がない。僕はそういうの気にしていないですし、コーチからも絶対に気にするなと言われています」と淡々と話す。ただ、注目を浴びていることは確かであり、ゴンザガ大の試合のたびに足を運んでくるNBAのスカウト陣が八村を無視しているとは思えない。そういうことに対するプレッシャーについて聞くと、「小さい頃からずっとそういうのがあるので。まぁ小さい頃は(プレッシャーも)あったんですけど、今は何とも思っていないです」とあっさり。「自分のやることをしっかりやっていけば、その結果でそういうことが出て来るんじゃないかなと思っているので」と話した。

オフェンス面では6割を超えるフィールドゴール成功率で平均11.5得点をマークする八村[写真]=Getty Images

 さらに、今季後の手応えによってはNBAドラフトへのアーリーエントリーもあり得るのかと問うと「本当に今はそういうのは考えていないです。今は1試合1試合、やるべきことをやっていくことしか考えていない。そのあとの結果じゃないかなと思っています」と目の前だけを見つめた。

 それでは、これまで何人もの選手をNBAへ送ってきたマーク・フューヘッドコーチは八村のNBA入りについて、どう思っているのか。

 答えはこうだ。「(NBA選手になるには)時間がかかるし、塁はまだそのレベルではない。しかし、ディフェンス力がそうであるように彼は今、大きな成長を遂げている。そして彼をそのレベルに持って行くのが私たちの仕事だ。私たちは彼を今後もコートに送り続ける。そして、彼が本当に(NBAへの)準備ができた時、誰にでもそれがわかるはずだ」。

 その日まで、八村は進化を続けるだけだ。

文=山脇明子

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