2021.04.02

あまりの格差に唖然…カイリー・アービングやベン・シモンズがNCAAの男尊女卑に苦言

現在開催されているマーチ・マッドネスでの男女格差をNBA選手が非難した[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 性別間の格差を取り払うジェンダーの平等は、SDGs(持続可能な開発目標)にも組み込まれ、早急な解決が求めらている。無論、それはバスケットボールの世界も例外ではなく、NBA選手たちも根深い問題を指摘し、改善を求めている。

 最近、カイリー・アービング(ブルックリン・ネッツ)は、何かと話題にこと欠かないNCAAにおける男子選手、女子選手の格差に言及。ネッツの背番号11は、未だ改善されない現状を厳しく非難し、変化を求めた。

「僕たちの生きる社会でこのようなことは起こらない。かなり遅れている。何年も続いていることだし、僕たちにはそれを改善できるソーシャルプラットフォームがある。僕たちはNCAAだけではなく、少女たちのスポーツにも変化が必要だろう」

「女性が何を必要としているのかについて話し合うこともなく、このような状況が続いていることはとても受け入れられない」

「みんながこの世界や社会の状況を変えたいと声をあげているし、チャンスもあった。でも、NCAAは失敗した。でも、女性にも適切な環境が提供されることについて、僕たちが団結したのはとてもいいことで、僕はさらに踏み込んで何かを発する必要があると感じたんだ。何が起こっているのかは明らか。僕たちは変化をもたらさなければいけないよ」

 NCAAの男女不平等が如実が表れているひとつに、トレーニング設備が挙げられる。オレゴン大学の女子バスケットボールチームでプレーするセドナ・プリンスは、NCAAバブル内のウェイトルームを撮影し、男子選手と女子選手で明らかな違いがあることを暴露。十分なスペースがあるにもかかわらず、設備の充実具合は雲泥の差だ。

 また、ラスベガス・エースで活躍するアージャ・ウィルソンもマーチマッドネスの男女格差には、驚きを隠せなかった模様。彼女は自身のツイッターで、協会から贈られる記念品を比較したが、男女間で贈られる記念品には大きな隔たりがあり、「いやいや…。彼ら(NCAA)はスワッグバッグ(記念品)にも微調整を施しているんですか?」と、如実な違いに失望している。

 これらの問題に声を挙げたNBA選手は、アービングのみではない。CJ・マッカラム(ポートランド・トレイルブレイザーズ)やジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)も改善を求めたほか、ベン・シモンズ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)もNCAAに対して厳しい言葉を投げかけた。

「僕はNCAAを微塵もリスペクトしていない。彼らがやっていることは間違っている。女子選手のジムを見た。フェアじゃないのは明らかだ。彼らは膨大なお金があるにもかかわらず、平等にウェイトルームのセットアップもできないのか? 馬鹿げているよ。言い訳の余地はないね」

 男性選手と女性選手、どちらも同じだけの時間を費やし、日々向上に励んでいるのは紛れもない事実。今後のNCAAの対応に注目が集まる。

 文=Meiji

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