2022.03.16

マーチ・マッドネスに備えよ…NCAAトーナメントで注目の選手:前編

マーチマッドネスで注目すべき選手をピックアップ[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 いよいよ、NCAA(全米大学体育協会)はマーチマッドネスに突入する。大学の頂点を決めるポストシーズンは、球団の未来予想図そのものと言っても過言ではない。来シーズンのルーキーを偵察するリクルーターにとって、最も重要な時期だ。

 また、NBAを目指すプレーヤーは、2003年のカーメロ・アンソニー(ロサンゼルス・レイカーズ)や2008年のステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)のように、オンコートで圧倒的な存在感を示すことができれば、一躍ドラフトで上位指名候補に名乗りを上げることができる。

 米カルチャーメディア『Complex』は、NCAAトーナメント開催に備え、今シーズンの注目選手をリストアップ。本メディアでは前後編に分けて、未来のNBAスター候補にスポットライトを当てていく。

チェット・ホルムグレン

所属大学:ゴンザガ大学(西地区第1シード)
学年:1年生
身長・体重:213センチ88キロ
ポジション:センター

[写真]=Getty Images

 異彩を放つ新世代のユニコーンは、八村塁の母校で圧巻のパフォーマンスを継続している。課題とされているフィジカルは屈強とは程遠いが、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)やエバン・モーブリー(クリーブランド・キャバリアーズ)の活躍を目の当たりにすれば、体が華奢という理由だけでネガティブな意見を述べるのはナンセンスだろう。

 ホルムグレンは、1試合平均14.2得点9.6リバウンド3.6ブロックというスタッツを残している。これは、シャキール・オニールの1年目と比較しても遜色のない数字であることを強調しておきたい。

 加えて、ホルムグレンは3ポイントシュート成功率41.2パーセントをマーク。近年はアウトサイドを得意とするビッグマンが増加傾向にあるが、3ポイントコンテストの覇者であるカール・アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)の成功率が40.8パーセントであることを踏まえると、ホルムグレンの有能さがお分かりいただけるはずだ。ゴンザガが下馬評通りに勝ち進めば、1〜3位の上位指名はほぼ確実と言える。

ジャバリ・スミス

所属大学:オーバーン大学(中西部地区第2シード)
学年:1年生
身長・体重:208センチ99キロ
ポジション:パワーフォワード

[写真]=Getty Images

 モックドラフトで1位にランクインするスミスは、多くの球団が獲得を望む完成度の高いプレーヤーだ。42.8パーセントという確率の高いアウトサイド、ミドルレンジにおける豊富なシュートオプション、ゴール下での力強さなど、オフェンスのスキルセットの充実度はNCAAでも指折り。また、自陣ではショットブロッカーとして君臨し、平均7.0リバウンドと空中での制空権争いにも高い貢献度を示している。

 即戦力として初年度から活躍が期待されるストレッチフォー。優勝候補との対戦で印象的な活躍を披露することができれば、1位指名の最有力候補となるだろう。

ジェイデン・アイビー

所属大学: パデュー大学(東地区第3シード)
学年:2年生
身長・体重:193センチ88キロ
ポジション:シューティングガード

[写真]=Getty Images

 アイビーはジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)と比較されるプレーヤーだ。オンボール時の優れたコートビジョンは類まれなるものがあり、ひとたびボールを持てば相手の包囲網を潜り抜け、1人でオフェンスを完結してしまう。体幹の強さとスピードを含む総合的なアスレチック性能の高さと、ハンドリングに駆け引きの狡猾さを織り交ぜることで生まれる縦への推進力、そして持ち前のエナジーは、チームのオフェンスを1段階以上引き上げてくれる。

 課題はアウトサイドシュートだが、今シーズンは成功率35.6パーセントをマーク。1年時より10パーセントも向上しており、大幅な改善が見受けられる。今年のトーナメントでも、多くのリクルーターがアイビーに熱視線を送るだろう。

 文=Meiji

BASKETBALLKING VIDEO