2月2日、東京オリンピックのバスケットボール男子・女子の予選グループ組み合わせが決まったことを受け、日本バスケットボール協会（JBA)が会見を開いた。

　会見にはJBAの三屋裕子会長、東野智弥技術委員長、フリオ・ラマス男子代表ヘッドコーチ、トム・ホーバス女子代表ヘッドコーチが登壇。三屋会長は「オリンピックは12チームのみが出場するので、男女ともに気の抜けないグループに入ったと思う」と話し、「コロナ禍でどういう状況になるかわからないが、選手はオリンピックが開催されることを信じて練習をしているので、組み合わせが決まってギアが一つあがるのでは」と期待を寄せた。

　また、東野技術委員長は「女子はリオデジャネイロオリンピックに続いて2大会連続で出場するが、ホーバスHCが金メダルを目標に掲げている。主力にケガ人が出ているが、リハビリを頑張っている。男子はFIBAランキングが40位なので、簡単に勝てる相手は出場していない。グループCではスペイン、アルゼンチンと簡単な相手ではないが、トップのチームと戦えることは日本にとってとてもいいこと。何とか1勝を目指していきたい」と感想を語った。

JBAの三屋会長は「気の抜けない組に入った」とコメント

「1勝するためにはパーフェクトなゲームをしないといけない」

　スペイン、アルゼンチンとカウナス（リトアニア）で行われる最終予選の勝者と同じグループCに入った男子日本代表。ラマスHCは組み合わせが決定した時に「すごく気持ちが高ぶっている」と感じたと話し、「2019年のワールドカップでファイナルを戦った2チームと対戦するチャンスを得られたのは、すごくありがたい。怖さをもって挑戦するのではなく、すべてをぶつけて結果を残そうと思っている」と決意を新たにした。

　2019年のFIBAバスケットボールワールドカップでMVPを受賞したリッキー・ルビオ（ミネソタ・ティンバーウルブス）、ベスト5に入ったマルク・ガソル（ロサンゼルス・レイカーズ）などNBAで多くの選手が活躍するスペインについては「組織力が高く、個人の能力も高い。レベル的には高いとしか言えない」と印象を語ったほか、アルゼンチンについては「現在NBAで活躍している選手は一人しかいないが、過去にNBAでプレーした選手もいるし、欧州で活躍している選手もいる。個人としてもそうだが、組織としても完成している」と話した。

　カウナス（リトアニア）で行われる最終予選の勝者がグループCのラスト一枠を獲得するため、対戦チームは確定していないが「ほかの3チームはすべて強豪。1日1日挑戦していくことが目標であり、私たちに課された義務だ。1勝をするためにはパーフェクトなゲームをしないといけないし、そのためにはいい準備をしないといけない」と予選を勝ち抜く厳しさを語った。

　ラマスHCはアルゼンチン出身。オリンピックという大舞台で母国と対戦することとなった。「正直言って変な気持ち。母国とは対戦したくない気持ちもある」と心境を吐露したが、「優先しないといけないのはチーム。結果を残すのが大事」と前を見据えた。

ラマスHCは「1勝するためにはパーフェクトなゲームをしないといけない」と語った

「全員がステップアップしないといけない」

　2大会連続で五輪へ出場する女子日本代表のトム・ホーバスHCは「対戦するチームが分かってよかった。これまで相手が分からないのできれいな準備ができていなかったが、いいグループに入ったのでいい準備を進めていきたい」とコメント。

　前回の五輪覇者であるアメリカやフランス、ナイジェリアと同組に入った女子日本代表。アメリカについては「めっちゃ強い」とストレートに感想を述べたほか、フランスについては「いいビックマン、速いガード、シューターがいて日本と似ている。うちがついていけるかどうか」と話し、ナイジェリアに対しては「フィジカルがあって強い。これからもっとスカウティングする」と印象を語った。

　女子日本代表は大黒柱の渡嘉敷来夢が右膝前十字靭帯断裂、本橋菜子が前十字靭帯損傷で次々と離脱。「渡嘉敷のケガは本当に大きい。手術をしてリハビリしているが、間に合うか分からない…。本橋のケガも大きい」とコメント。具体的に誰に期待しているかと問われると「谷村（里佳／日立ハイテククーガーズ）がリーグ戦で頑張っている。（オコエ）桃仁花（富士通レッドウェーブ）も頑張っている。だが、全員がステップアップしないといけない」と話した。

　ホーバスHCもラマスHC同様、自身の母国であるアメリカと対戦することとなるが「僕の夢は決勝でアメリカと戦って勝つこと。日本に長い間いて、チャンスをくれたので日本のために優勝したい」と力強く語った。

ホーバスHCは「日本のために優勝したい」と力強くコメント