2019.08.15

NBA選手をも驚嘆させるスピードで、W杯ロースター入りを狙うディアロン・フォックス

アメリカ代表候補のセレクトチームからロースター候補へと昇格したフォックス[写真]=Getty Images
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W杯のアメリカ代表候補のケンバが「彼のクイックネスは尋常じゃない」と絶賛

 8月31日から中国で開幕する「FIBAバスケットボール ワールドカップ2019」(以降、W杯)の優勝候補筆頭は、やはりFIBAランキング1位のアメリカだろう。

 ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)やアンソニー・デイビス(ロサンゼルス・レイカーズ)、デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)といった実力者たちが出場を辞退する中、アメリカ代表候補選手たちはグレッグ・ポポヴィッチHC(ヘッドコーチ/サンアントニオ・スパーズ)の下、トレーニングキャンプやエキシビジョンゲームをこなして連係を高めている。

 現在はレイカーズの練習施設でトレーニングを行っているのだが、ケンバ・ウォーカーマーカス・スマート(共にボストン・セルティックス)といったロースター候補選手たちを驚かせている選手がいる。それがキャリア3シーズン目の“超高速ポイントガード(PG)”ディアロン・フォックス(サクラメント・キングス)だ。

 6日(同5日)からラスベガスで行われたアメリカ代表候補選手たちによるトレーニングキャンプで、当初フォックスは練習相手となるセレクトチームの一員として参加したのだが、今ではロースター候補へと昇格し、強烈なインパクトを放っている。

「彼はあんまり速く見えない選手でさえも、速くプレーさせてしまうんだ」とスマートは言う。だがフォックスは「僕はもっと速くならなきゃいけないと思ってる」と『ESPN』へ語っており、さらなる高みを見据えている。

 切れ味抜群のクロスオーバードリブルと変幻自在のステップでコート上をダンスするかのように暴れ回るケンバも、「まったくすごいヤツだよ。彼は超速いんだ。あのクイックネスは尋常じゃないし、コートの端から端まで走り切るスピードは信じられないね。彼がもっと速くならなきゃいけないだなんて、恐ろしいかぎりさ」とコメント。ケンバでさえも、フォックスのスピードには舌を巻いているようだ。

自慢のスピードとクイックネスでディフェンダーをかいくぐる⑳フォックス[写真]=Getty Images

本戦に出場できれば「間違いなく大きな成功になる」と意気込むフォックス

 キャリア2シーズン目の昨季、フォックスはキングスの先発PGとして大活躍。平均31.4分17.3得点3.8リバウンド7.3アシスト1.6スティールと、主要スタッツすべてにおいてルーキーシーズンを超える成績を残した。

 フィールドゴール成功率も一昨季の41.2パーセントから45.8パーセント、3ポイント成功率でも一昨季の30.7パーセントから37.1パーセントへと浮上。

 ケンバは昨季のフォックスについて「僕が何よりも印象的だと思ったのは、彼のシューティングだった」と指摘。そして3年目を迎えた若き司令塔フォックスについて、自身の経験を交えながらこう語っている。

「彼は自らのショットで相手チームをねじ伏せていた。このことはきっと彼を新たなレベルへと導くだろうね。僕がリーグ入りした時みたいだよ。僕が次のステップへと進むために不可欠だったのは、ジャンプショットの精度を向上させることだった。それを乗り越えたことで、僕は新たなレベルへ到達することができたんだ」。

 アメリカ代表のロースター候補の中で、バックコートにはケンバやドノバン・ミッチェル(ユタ・ジャズ)、スマート、ジェイレン・ブラウン(セルティックス)にデリック・ホワイト(サンアントニオ・スパーズ)といった選手がいるのだが、カイル・ラウリー(トロント・ラプターズ)がケガのため出場を断念したことで、フォックスがアメリカ代表の一員としてW杯本戦に出場する可能性は、十分あると言っていいだろう。

フォックスはドライブやファストブレイクで自らフィニッシュまで持ち込むこともできる[写真]=Getty Images

「ここにいることができるのは、僕にとっては大きな機会だと思ってる。僕は選手としてもっともっと成長しなきゃいけないと思ってる。リーダーとして、ゲーム全体を把握できるような選手になりたいんだ。だからもしこのチームの一員になって彼らと旅することができれば、それは間違いなく大きな成功になる」とフォックスは言う。

 21歳のフォックスは驚異的なスピードでコート上を駆け回り、ドライブやファストブレイクでは躍動感あふれるダンクで観衆を味方につけるなど、見ていて爽快な気分にさせてくれる選手の1人。

 自他ともに認めるNBAのスピードスターは、虎視眈々とアメリカ代表としてW杯でプレーすることを見据えている。

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