2019.10.18

渡米1カ月、Gリーグのトライアウトを受ける【やまもん挑戦記③】

アメリカに来て最初のトライアウトでNBAというビジネスの説明を受ける山本柊輔[写真]
北海道新聞・道新スポーツとバスケットボールキングのコラボ企画。レバンガ北海道の協力も得て、北海道のバスケ情報をお届けします。

 こんにちは。

 海外で身長を聞かれたときに「6.0フィート(182、3センチ)」とまあまあ盛り目に答えている山本柊輔です。好きな北海道の蟹は花咲蟹です。

 こちらは現在10月11日、ロサンゼルスでのワークアウトを終えたところです。

 9月17日からアメリカに渡って約1カ月。毎日刺激たっぷりの日々を過ごしています。今回のコラムでは、僕が海外に来て体験していることを伝えたいと思います。

 カナダリーグ挑戦をうたって日本を飛び出したやまもんですが、いきなりバスケの最高峰NBAの下部Gリーグのトライアウトを受けていきます。「あれ、カナダは?」と沢山の人からコメント頂きました。まずはどういう経緯でそうなったのか、そしてぶっちゃけどうだったのかについて書きます。

スキルコーチからのマンツーマン指導を受ける[写真]

 今年のカナダリーグ開幕の時期は12月の末からと他国のリーグに比べて遅く、チームのトレーニングキャンプスタートも11月末からになります。そこでやまもんは、それまでの期間、コンディションを上げながら海外のバスケットボールに適応しようと考えました。当初は10月から渡米してトレーニングを計画していましたが、エージェントから「9月のGリーグのトライアウト受けてみる?」とお話をもらい、腕試しにはもってこいだなと2つ返事で「YES」と答え、渡米の日程を早めました。

■個で局面をどれだけ打開できるか
 これまで3回のトライアウトを受けてきました。結果は・・・チームから契約のオファーの話はきていません。うん。そんなに甘くない(笑) レベルに関しては、上から下まで色々な選手がいました。ヨーロッパ・南米のプロチーム、ディビジョン1の大学でプレーしている選手。セミプロ、クラブチーム、大学でプレーしている選手。アメリカ代表の高跳びの陸上選手なんかもいました。(さすがアメリカなんでもあり。アップでフリースローラインから飛んでダンクしてた)。トライアウトの内容はチームによってまちまちですが、最終的には5対5のゲームでアピールが必要になります。

 正直ここでアピールしてNBAの門を開くのは至難の業です。もう競技が違うんじゃないかという感じ(笑) 日本でやってきたピックアンドロールの駆け引き、ゲームコントロール、シューター、ビックマンへのパスのタイミングとかはそれほど重要視されてません。

「個で局面をどれだけ打開できるか」。それに尽きます。主張の強いアメリカ人選手達からボールを要求し、スペーシング、チームの動きなどおかまいなしな状況でも得点に絡んで、結果を残さなければいけません。最初のうちは今まで経験したことがないゲームの流れに「おいおいおいおい…」なんて言っている間にゲームが終わってしまうこともありました。

ワークアウト後に居残り練習。GリーグからNBAに呼ばれた選手のユニフォームが飾られている

 しかし海外に来ている以上これがスタンダードです。試行錯誤を繰り返し、少しずつですが自分の活かし方がわかってきました。周りの選手とは違うタイミングでのアタックやパスで、チームメートから信頼を勝ち取っていき、トライアウト中に徐々に自分のバスケに周りを合わせていく。「こいつわかってるな」とチームメートの上手い選手に気付かせること。そしてコンビを組み、お互いの良さを引き出しあっていく。そうやってプレーしていけば短い時間でも自分をアピールできるという手応えを感じてきています。

 また自分のメンタルを強くするチャンスでもあると思っています。こっちの選手は相手に対して一歩も引きません。ファール覚悟で容赦なく削ってくるし、相手を挑発し苛立たせるような言葉をぶつけてくるトラッシュトークも日常茶飯事です。リトルやまもんにいつも言われています。『自分また嫌な顔してるやん』って。ぶっちゃけまだ嫌だなと思ってしまってます(笑) これを跳ね除ける鋼のメンタルを身に付けないとこれ以上はないなと。良い意味でコートの中では『俺が1番だ』というエゴを持って彼らのタフネスに立ち向かっていこうと思います。

■ストックトンキングスの練習生に
 今後のスケジュールですが、11月からいよいよカナダに渡る予定です。それまでNBAサクラメントキングス の下部Gリーグ『ストックトンキングス』の練習生として、チームビルディングから参加できることになりました。これは本当にでかい。でかいぞやまもん。チャンスチャンスチャンス。何か掴めよ。(リトルやまもんに言われるまでもなく自らを鼓舞) 

 実は渡米後すぐに1週間ちょっと彼らの中に混ざってワークアウトをさせてもらっていました。そこにいる選手達は文字通り、NBA、Gリーグ、Overseas(海外リーグ)でプレーしている選手達。中には先日までW杯で活躍していたナイジェリア代表の選手もいました。渡米直前までストレッチポールを持った日本の中学生と対人練習をしていたやまもんは、いきなり世界レベルのコートに放たれていたのです(笑)

サクラメントでのワークアウト、トライアウトを終えて。ストックトンキングスの体育館にて

 個人的にここでの練習が一番楽しかった。本場のガード陣とマッチアップしていろんな気づきを得ることができました。シュートが入る入る。ドリブルの速さ・強さ。身体能力の高さ(ガード陣全員ダンクします)。良く言う「日本人と世界ではフィジカルの差がある」なんて言いますが、「普通にスキルレベルも圧倒的に違うやないかい」と衝撃を受けました。Bリーグの試合でそんなに凝ったドリブルを沢山つく選手っていないと思うのですが、彼らは前後左右に自分の得意なパターンを用いてガンガン揺さぶってくる。そしてそういった多彩なドリブルからの3Pが入る入る(言うなればみんな富樫選手みたいな感じ)。

■NBAとGリーグ、何が違う?
「これでNBA選手じゃないの?」というくらいに衝撃を受けたやまもんは、近くにいたコーチに「Gリーグの選手とNBA選手は何が違うのか?」と聞かずにはいられませんでした。コーチ曰く「サイズとバスケIQ。NBAの選手達は同じポジションで+5センチ以上サイズがあり、賢い選手が多い。Gリーグの中にも能力的にはNBAでやれる若い選手はそれなりにいる」だそうで。

 つまりスキル・能力的なことに関していえば、ほぼほぼNBA選手と変わらないってこと。身長は自分とそんなに変わらない(ガードは高くても190センチちょい)の世界トップレベルの選手達に混ざって競い合える。

 静岡の普通の小学校で「楽しそうだから」とバスケを始めた少年やまもんは、あれから20年後ついに世界最高峰のバスケ選手達と戦える所にきてるんやなと。面白いやん。やってやりましょう。

ロサンゼルスでのピックアップゲームに参加[写真]

 これからの3週間。失う物はない。毎日全力でぶつかってやろうとそう意気込んでおります。1つでも自分が通用するプレーを見つける。このレベルに適応して、当たり前にしてやる。まずは11月にカナダに渡るまで、やっちゃえやまもん。

■動画配信に挑戦
 個人的に今月から動画配信にも挑戦したいと思っています。自分が学んだことを忘れないためが1番の理由ですが、海外挑戦に興味がある人、バスケが上手くなりたい人の役に立てれば嬉しいです。(Twitterで告知します。フォローしてね。@shushu_1031

 来月も乞うご期待。やまもんでした。

<略歴>やまもと・しゅうすけ 静岡県出身のポイントガード。清水東高2年時、現在の日本代表富樫勇樹(B1千葉)と出会い、高いレベルでプレーすることを志す。一般受験で入った筑波大では、3年からAチーム(1軍)に所属し、インカレ2連覇を達成。大学4年の2016年にアーリーエントリーでB2山形に入団。18~19年シーズンにB1レバンガ北海道に移籍。シーズン終盤にブレイクし、B1残留に貢献した。25歳。https://twitter.com/shushu_1031

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