2020.02.25

レブロンの息子を凌ぐ才能! 神童マイキー・ウィリアムズを知っているか?

アメリカの高校バスケ界を席巻するウィリアムズ(写真は2019年6月のもの)[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 アメリカでは、NBAの未来を担うであろうポテンシャルを秘めた実力者たちが、ハイスクールやカレッジのコートを暴れ回っている。2020年のドラフトは例年と比較するとやや小粒感が否めないが、Class of 2020以下の世代はかなりの豊作。オールラウンダー製造機ことケビン・ボイルの下で指導を受けるケイド・カニングハムや、驚異的な身体能力でハイライトを量産しているジェイレン・グリーンらは、2021年のモックドラフトで上位レーティングが確実視されている。

 しかし、既述の才能をも凌ぐ驚異的な15歳が、カリフォルニア州サンディエゴでスカウトからの関心を独占していることをご存知だろうか。

 彼の名前は、マイキー・ウィリアムズ。2004年6月26日生まれ、身長185センチのポイントガードで、現在サン・イーサイドロ高校でプレーする“神童”だ。

14歳でその名をアメリカ全土に知らしめる

 わずか生後10ヶ月にしてバスケットボールを手にしたマイキーは、アパートの下にあるアウトサイドコートで父親からバスケットボールを教わった。しかし、小学生になると現所属のサン・イーサイドロ高校に“住み着く”ようになり、同校のHQにして彼の生涯の恩師であるテリー・タッカーは、「何をしても体育館から追い出せないから」という理由で、彼をボールボーイとしてコートサイドに置き続けた。また、別の機会では一人のプレーヤーとしてマイキーに言及し、「とんでもない競争本能の持ち主だ。負けることが大嫌いでね。まるで赤ん坊のようだよ。もし手元にボールがなかったら、自らボールを取りに行くからね」とコメントしている。

 マイキーの存在をアメリカ全土へと知らしめたのは14歳の頃、彼がノースコースト・ブルーチップスに参加した時のことだ。ノースコースト・ブルーチップスとは、AAU(アマチュア運動連合)主催のトーナメントで、国内のトップ選手たちが一堂に会する刺激的な大会。同年はレブロン・ジェームズの息子ブロニー・ジェームズも出場したことから、大会には例年以上の注目が集まっていた。舞台となったシャーロット・コンベンション・センター(ノースカロライナ州シャーロット)には、ブロニーのプレーをひと目見ようと取材陣やファンが殺到。しかし、ウォームアップが始まるや否や、マイキーはブロニーを差し置いて豪快なイーストベイダンクを叩き込み、会場を騒然とさせたのである。もちろんこの時、マイキーの名前を知る者はほとんどおらず、「あいつ、誰だよ……?」と群衆が困惑した姿は容易に想像できるのではないだろうか。

 そんな神童は、晴れてサン・イーサイドロ高校に入学すると、早々から格の違いを見せつける。エルカホン・バレーとの高校デビュー戦、マイキーは挨拶がわりに41得点を記録。しかし、それから数日後のミッション・ベイ戦でも50得点を叩き出すと、その後も驚異的な得点能力で対戦校を撃退。30点オーバーは日常茶飯事となり、9試合目となるカーニー戦では、カリフォルニアのフレッシュマンの1試合における歴代最高得点となる77得点をマークしたのだ。

大人顔負けのプレースタイルに名門大も注目

 派手なスコアがピックアップされるため、ワンマンのスコアリングモンスターかと思いきや、マイキーは非常にクレバーかつ冷静で、球離れもよく、現代バスケに必要なスキルを兼ね備えている。彼はカイリー・アービングのような強引なドライブインより、正確なジャンプショットを中心に得点を量産していく。3ポイントはロングディスタンスでも、ステップバックからの流れでもヒット可能。また、外角の驚異があるうえに、カワイ・レナード八村塁らが得意とするドライブからのストップ&ジャンプも重宝する。どのプレーでも身体の軸がブレることはなく、プレーからは15歳離れした体幹の強さが伺える。それでいて、ポイントガードとしてコート上でのゲームコントロールも担う。魅せるようなトリッキーなアシストは少ないが、入れるべきところにボールを入れて堅実にチームメートを動かし、チームにリズムをもたらす。こうした大人顔負けのプレースタイルは高く評価され、卒業前にはワイルドキャッツの愛称でお馴染みの名門アリゾナ大学など、数々のカレッジチームがマイキーへのオファーを検討しているという。

「俺が高校バスケ界のNo.1プレイヤーだ」、『Overtime』で公開された密着ドキュメンタリーでそう豪語するマイキーに対して異論を唱える者は少ない。今年のドラフト1位候補の1人であるジェームズ・ワイズマンのInstagramのフォロワーが17万5000人なのに対し、マイキーのフォロワーは154万人。ブロニーやラメロ・ボールには遠くおよばないものの、父親や兄弟の知名度に助けられることなくこれだけのフォロワーがいることは、バスケファンたちからの期待の表れと言える。

 マイキーがNBAドラフトに登場するのは、2023年が有力視されている。もしかすると、マイキーは今後十数年で、NBAの歴代レジェンドたちが成し遂げてきた偉業の数々を塗り替えてしまうかもしれない。

文=meiji