2021.07.23

U19W杯で存在感を示したドラ1候補の仏産センター、ビクター・ウェンバンヤマ

U19ワールドカップでMVP級の活躍を披露したビクター・ウェンバンヤマ[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 7月上旬からラトビアで開催されていたFIBA U19ワールドカップ2021。下馬評どおり、大会はアメリカ代表の優勝で幕を下ろし、MVPには現役高校生ナンバーワンプレーヤーとしてリクルーターたちが熱視線を送るチェット・ホルムグレン(ミネハハ・アカデミー)が選出された。

 しかし、もしフランス代表が優勝すれば、MVPはビクター・ウェンバンヤマ(ナンテール・92)が受賞していたに違いない。

 大会ベスト5にも選出されたウェンバンヤマは、身長219センチを誇るフランス産センター。わずか15歳にしてトップチームデビューを果たした逸材で、将来的なNBA入りはほぼ確実と言われている。

 プレースタイルはホルムグレンに似たものがあるが、選手としてのクオリティーはウェンバンヤマが一枚上手かもしれない。同大会の決勝戦、ホルムグレンのスタッツは10得点2リバウンド5アシスト。一方、ウェンバンヤマは22得点8リバウンド1スティール8ブロックとスタッツで大幅にホルムグレンを上回り、さらにフィールドゴール成功率42.9パーセント、フリースローも9投中9本成功で100パーセントをマークした。

 ウェンバンヤマは、現代NBAのトレンドであるオールラウンドタイプのビッグマンだ。特に、ショットブロッカーとしての性能は世代屈指。持ち前の高身長と234センチのウイングスパン、そして危機察知能力と機敏なフットワークのすべてを生かす。そして、ペイント付近では圧倒的な存在感を示しており、W杯では2位に大差をつけてブロック王にも輝いた。

 また、サイズに似合わぬ運動神経と優れたハンドリングも兼ね備え、ボール運びも厭わない。そして、そのスラっとしたフォルムからか、時折ケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)を彷彿とさせる瞬間も。ディフェンスを広げるアウトサイドシュートはもちろん、ミドルレンジからもショットを狙え、必要に応じてターンアラウンドやスピンムーブ、フェイダウェイまで織り交ぜてしまう器用さからは、末恐ろしいポテンシャルを感じる。

 ウェンバンヤマは、年齢から逆算して2023年のNBAドラフトに登場する見込み。このまま順調にキャリアを重ねていけば「1位指名は確実」と太鼓判を押す有識者も少なくない。

 未完の大器は今後どのような成長曲線を描くのか。気になる方は今のうちに彼のSNSアカウントをフォローしてみてはいかがだろうか。

 文=Meiji

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