2022.09.07

ジェレミー・リンが中国・広州ロングライオンズと契約「またコートで会いましょう」

リンは昨シーズン北京ダックスでプレーした[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 ジェレミー・リンは、NBAで戦ったアジア系選手として最も偉大な功績を残したプレーヤーの一人だ。

 ゴールデンステイト・ウォリアーズでキャリアをスタートした同選手は、2011年にニューヨーク・ニックスへ移籍。カーメロ・アンソニー、アマレ・スタウダマイアーというリーグの看板選手にも負けじと劣らない活躍はファンを熱狂の渦に巻き込み、イースタン・カンファレンスの週間最優秀選手に選出されるほどのセンセーションは「リンサニティ」と称され、今なお伝説のひとつとして語り継がれている。

 近年はケガに悩まされ、プレータイムの少なさゆえにトロント・ラプターズから受け取ったチャンピオンリングも本人は正当なものとしていない。そして、昨年5月にはNBA復帰を断念するようなコメントを発表。これが事実上の引退かと思われたが、リンの旅路はまだ終わっていなかった。

 リンは、今月6日にインスタグラムを更新。そこには「未だ子どものようにバスケットボールの夢を追いかけている」とのコメントとともに、広州ロングライオンズ(龍獅籃球倶楽部)のジャージに身を包む姿が投稿された。


 新契約発表にともない、リンはWeiboにもメッセージを投稿。そこには昨今の健康面との戦いと、色褪せることのないバスケットボールへ対する愛情を記している。

「13年間のプロバスケットボール生活を送ってきた僕の夢はいつも同じで、最高の環境下で最高のパフォーマンスを発揮することです。プレーする機会、バスケットボールから授かったリソースを生かし、人々に夢を追求するための原動力を生み出すことができました」

「そして今シーズン、再びCBA(中国プロバスケットボールリーグ)に参加できることをうれしく思います」

「この旅路で僕は心の傷を負い、挫折を経験してきました。昨年も例外ではありません。COVID-19の診断による3カ月の隔離生活は想像を遥かに上回る心労で、精神的も肉体的にも回復は容易ではありませんでした」

「本当はより良いパフォーマンスを披露して、自分の能力を最大限に引き出したかったのですが、思うようにはいきませんでした。それでもサポートしてくれた北京ダックスの秦社長、コーチ、チームメイト、そして僕のCBAでの最初のユニフォームを来てくれた北京の皆さんには生涯、感謝を忘れないことでしょう。皆さんと過ごした時間は掛け替えのないものとなりました」

「来シーズン、才能と可能性に満ち溢れ、年々成長を示している広州ロングライオンズの若きロスターに加われることを楽しみにしています。チームメートやコーチとともに切磋琢磨する日が待ちきれません。このような機会を与えてくれたことに、心より感謝しています。チームに貢献できるよう、ベストを尽くします。それでは、またコートで会いましょう」

 同球団は発表に際し、「彼は10年以上フィールドに立ち、最近は浮き沈みの激しい時間を過ごしてきましたが、勝利への貪欲さは変わっていません。彼は他でもないジェレミー・リンであり、広州ロンライオンズで新たな章を描くでしょう」と歓迎のコメントを残している。

 今年でリンサニティから10年が経過する。リンは世界中のファンとバスケットボールのために、再びスタジアムで眩しいほどの輝きを放つに違いない。

 文=Meiji

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