bjリーグができる前、新潟アルビレックスBBは当時のJBLに所属。唯一のプロチームとしてホームゲームを県内で開催し、強豪ぞろいの企業チームに立ち向かっていった。その一つが今節の対戦相手であるサンロッカーズ渋谷だ。
地元に凱旋した五十嵐圭にとっては、自身のキャリアをスタートさせたチームとの対戦。当時はアリーナを埋め尽くした大観衆からブーイングを浴びたが、そのブースターを今は味方につけた。熱狂的ブースターの存在も新潟入団の理由の一つという五十嵐。ホームコートデビューの相手が古巣というのもこの上ない縁である。
渋谷はアウェイの開幕節で連勝。新外国人の2人と198センチの満原優樹、帰化選手のアイラ ブラウンがいずれもゴール下あり、3ポイントありと多彩な得点パターンで相手を翻ろうした。伊藤駿や広瀬健太らのドライブと併せ、オフェンスのオプションは確実に増えている。
新潟はダバンテ ガードナーがインサイドを支配することで、アウトサイドシューターも生きる。五十嵐のスピードも健在で、激しいディフェンスからの速攻を出せれば、渋谷と同じようにオフェンスの幅が広がる。得点の形をより多く出したチームが勝利に近づくことになりそうだ。
文=吉川哲彦