12月2日、B1リーグ第11節第1戦が行われ、川崎ブレイブサンダースがホームの川崎市とどろきアリーナにレバンガ北海道を迎えた。
B1は今節からオーバーカンファレンスと呼ばれる他地区との交流戦がスタート。川崎はB1全チーム中、最高成績の16勝3敗で中地区首位を独走する。浮上のきっかけをうかがう北海道相手に勝利を収め、勢いを加速させるべくホーム戦に臨んだ。
長谷川技の鮮やかなジャンプシュートで幕が開けたこの試合。ダニエル・ミラーのダンクなどで対抗する北海道に対し、長谷川から辻直人が、ニック・ファジーカスからライアン・スパングラーが電光石火のファーストブレイクを立て続けに決め、主導権を握りにかかる。しかし、北海道のジャマール・ソープに連続得点を許し、第1クォーターは21-19とわずかに2点差で終了。
続く第2クォーター、両チーム、激しいディフェンスの応酬で、開始4分間は互いに無得点。オフェンスの出足をファウルで抑える展開が続き、攻撃のリズムを失うと、打てど放てどシュートが入らない。観衆からため息が漏れる硬直状態となったが、序盤はベンチに退いていた“スコアリングマシン”のファジーカスがこの状況を打破した。的確にミドルシュートを沈め、停滞したゲームを一気に盛りあげる。しかし、オフェンスは活性化したものの、同様にリズムを取り戻した北海道の多嶋朝飛に3ポイントシュートや鮮やかなカットインを決められ、37-38と逆転を許し、前半を折り返す。
後半開始早々、ここまで無得点の篠山竜青が多嶋とのマッチアップを制し、ポイントを奪うと、パスカットからドリブルで持ちこみ、今度はファウルを誘ってバスケットカウント。1ショットもしっかりと決めて、スムーズにゲームに入っていく。福井県の伝統校で、数々の名ポイントガードを輩出してきた北陸高校出身の篠山と多嶋は同級生でもあり、良きライバルでもあるが、この2人の活躍に引っ張られる形で試合はペースアップし、点の取り合いに。シーソーゲームのバランスを川崎に傾けたのは、篠山に代わってコートに入った藤井祐眞だった。藤井がファウルを受けながらも3ポイントシュートを沈め、フリースローもきっちり決めて4ポイントプレー。第3クォーターを65-58と逆転し、最終クォーターへ突入した。
最終クォーターは疲れの見える北海道に対し、激しいディフェンスからファーストブレイクで得点を重ね、一気に引き離す。残り30秒で、相手の闘志溢れるプレーに7点差まで詰め寄られたものの、最後はゲームをしっかりとコントロールし、川崎がファイナルスコア87-78で勝利。交流戦に入っても、勝負強さを見せつけた。
試合後、川崎の北卓也ヘッドコーチが「パッとしない内容だった。ニック(ファジーカス)以外は第3クォーターでなかなか点を取れなかった」と苦言を呈したとおり、課題は残った。しかし、交流戦初戦で手堅く白星を手中に収め、今季最多の9連勝を達成した。
文=村上成