全国でも指折りの強豪校、福井県の北陸高校。“ミスターバスケットボール”佐古賢一(現広島ドラゴンフライズヘッドコーチ)や名古屋ドルフィンズの石崎巧といった名ポイントガードを輩出する名門校出身の同級生が、12月2日に川崎市とどろきアリーナで行われたB1リーグ第11節第1戦で相まみえた。
川崎ブレイブサンダースの篠山竜青は「今日に限らず、高校時代、大学時代にずっとオフェンス、ディフェンスともにやりあってきた。高校時代の同級生とプロの舞台でやれるのは、本当に幸せなことで、マッチアップも楽しかった」とレバンガ北海道の多嶋朝飛との対戦を回想。一方で「シュートも良く入っていたし、アシストも良いところで決められた。明日は修正して臨みたい」と、この日、21得点4アシストを許した相手への警戒を強めた。
もっとも、5得点3アシストとスコアが伸び悩んだ篠山だったが、第3クォーターには試合を決定づける連続得点を挙げた。「第2クォーターでディフェンスもソフトになっていたし、後半の出足でチームにエナジーを注入したかった。ペースをチームにもたらすことができたのは、司令塔としては大事だった」。今一つギアを上げきれていなかった川崎は、篠山のプレーで一気に流れを引き寄せると、33得点14リバウンドと大活躍のニック・ファジーカスを中心としたオフェンスが爆発。最終的には川崎が北海道を87-78で下し、交流戦の白星発進に成功した。
17勝3敗と好成績を残すここまでの20試合に対して、篠山は「開幕2連敗から徐々に調子を上げて、個人としてもチームとしても大きなケガがなく、順調に来ている」と一定の手応えを感じている。しかし現状に甘んじることなく、「これから交流戦で他地区の上位とも当たるし、オールジャパンも控えている。日本一を目指すチームとしては、もう一段ギアを上げるタイミングが来ていると思う」と話し、さらなる飛躍を誓った。
文=村上成