1月22日、B1リーグ第17節第2戦が行われ、サンロッカーズ渋谷はホームの青山学院記念館で仙台89ERSと対戦した。
前半は仙台のゾーンディフェンスに苦しめられ、素早い攻撃を繰りだす相手に4点のビハインドを背負ったが、第3クォーター開始5分24秒にロバート・サクレが得点を決めて初めてリードを奪うと、その後は点差を広げながら79-66で勝利。4点差で惜敗した第1戦の雪辱を果たすとともに、2017年のリーグ戦初白星を手にした。
この試合では、チーム最多の19得点を挙げたアキ・チェンバースや、18得点10アシストと“ダブルダブル”の活躍を見せたベンドラメ礼生に加え、17得点10リバウンド、さらに5アシストを記録したサクレもその存在感をいかんなく発揮した。
サクレは勝利のカギとなった後半を「自分たちが焦らずプレーでき、プレッシャーをうまくコントロールできた」と振り返り、アシストについての質問が及ぶと「チームのためにできることをやった」と述べた。また、チーム合流直後から仲良くしていたというベンドラメの活躍について、「彼には無限の可能性がある。今後も努力していくことで、このリーグのスターになれる存在だと思う」と絶賛。「チームメートに良いプレーをしてもらい、チームが良くなってほしいと思っている」と続けた。
「(サクレは)みんなが気持ち良くシュートできる環境を作ってくれる」とアキも語るように、ゴール下で起点となるだけでなく、相手を引きつける動きも見せ、デビュー3戦目にして早くもチームの中心に君臨した。また、コート内ではチームメートに対して積極的に指示を出し、ベンチではBT テーブスヘッドコーチと話し合う様子も見られた。「チームメートのことはとても気に入っている。良い意味で気を遣ってくれるので、自分の仕事がやりやすい」と語り、テーブスHCとは「どうやったらチームが良くなるか、何を取り組んだら改善されるか」を話したという。
サクレのデビュー後は1勝2敗だが、前節ではリーグ最高勝率を誇る昨季NBL王者の川崎ブレイブサンダースを最後まで苦しめ、今節の第1戦では最大18点のビハインドを背負いながらも最後まで猛追したように、彼の加入はSR渋谷に大きな影響をもたらしている。28、29日に行われる第18節、東地区の首位争いを演じる栃木ブレックスとの大一番ではどんな働きを見せるか、昨シーズンまでロサンゼルス・レイカーズでプレーしていた元NBAプレーヤーの真価が問われる一戦となりそうだ。
文=酒井伸