大型補強でシーズンオフの主役となったのが琉球ゴールデンキングスだ。昨季は最後に大阪エヴェッサを直接対決でひっくり返してチャンピオンシップに進んだが、ファーストラウンドであえなく敗退。その結果を受けて指揮官を佐々宜央氏(元男子日本代表アシスタントコーチ)に交代し、実力派の選手を次々に獲得。西地区制覇のみならず、王者の座も視野に入れた大がかりなテコ入れとみていいだろう。
獲得した実力派の1人がアイラ・ブラウン。そして、帰化選手としてチームの幅を広げるであろうブラウンの古巣が、開幕節でぶつかるサンロッカーズ渋谷だ。ブラウンが抜けたことはもちろん痛手だが、大阪エヴェッサからジョシュ・ハレルソンを獲得したことは大きい。琉球同様、昨季はCS進出を果たしたもののファーストラウンドで敗れ去った。その悔しさを知る勝久ジェフリー新ヘッドコーチの手腕に大きな期待がかかる。
SR渋谷にとって昨季までアドバンテージだったブラウンの存在が今季はディスアドバンテージとなり、満原優樹の活躍が今まで以上に不可欠になる。ブラウンが抜けた穴を埋める、もしくはそれ以上の仕事ができることを証明するには、ブラウンとのマッチアップが何よりのチャンス。開幕節の満原の働きは要注目だ。
文=吉川哲彦